2007年1月19日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】二〇〇七年のブラジルの国内総生産(GDP)成長率は三・五%と予測され、開発途上国二十五カ国で、ビリから二番目となる二十四番目にランクされた。国連が十一日に発表した今年の経済成長予測の一環で、最下位はメキシコで、成長率は三%の予測となっている。しかし総体的に経済成長は鈍化傾向にあり、開発途上国はとくに世界市場が後退していくことが懸念材料だと報告している。
国連のエコノミストによると、世界経済は昨年対比で減速傾向にあり、世界全体で三二%にとどまるとみている。最大市場のアメリカは、二十七カ国で形成されるEU(ヨーロッパ連合)諸国の二・四%に対し、二・二%に甘んじると予測されている。日本は二%とみている。
開発途上国ではそれよりも明るい見通しになっている。平均で五・九%と見積もられている。アフリカ全体では五・六%と平均に歩み寄りを見せている。東および東南アジアは六・九%の高率となっている。
途上国の世界ランキングのトップは中国の八・九%で、以下インド(七・九%)、パキスタン(六・二%)、香港(六・二%)、アルゼンチン(六・一%)がベスト5で、逆にワースト5は二十一位が韓国(四・三%)、以下台湾(四・二%)、南アフリカ(四・一%)、ブラジル(三・五%)、メキシコ(三%)となっている。
報告書によると、ラテンアメリカ圏内は前年の五%成長に対し、四・二%で世界の最低となり後塵を拝した。メキシコを始めとする中央アメリカ諸国を外してもわずか四・七%となり、不振さを露呈している。ラ米諸国の低成長は、国際市場の需要減少とコモディティ価格の下落が原因とされている。
ブラジルの場合は世界的傾向に反して、工業生産の減少が挙げられている。二〇〇六年度は輸出実績が過去最高を記録したが、国連筋によると、実績はさらに伸びる余地があったという。これに対し〇七年は通貨政策に柔献性をもたせた上で、インフレ抑制、金利引き下げが課題だと指摘している。金利はいまだに世界トップレベルを維持しており、経済成長の障害になっている。
ラ米諸国のインフレは〇三年で一一・三%だったのが、ブラジルの抑制が貢献して〇六年は五・七%に低下した。しかし失業率は小幅な改善で、九〇年代半ば以来、最低を記録したものの、八・七%と依然高い状態にある。
輸出は〇六年で二〇%上昇を見せたものの、今年は頓挫してわずか三%とみられている。世界平均は一一・七%で、中国は一五%の伸びとみられ、ラ米諸国は大きく水を開けられる破目となる。