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インフレ国家の終焉?=中銀目標大きく下回る

2007年1月19日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】国がインフレの公約数値としている広範囲消費者物価指数(IPCA)が二〇〇六年に三・一四%となり、中銀の目標だった四・五%を下回ったことを受けて、発表元のブラジル地理統計院(IBGE)は、長年続いてきた高インフレ国家の終焉だと宣言している。
 インフレ率が政府目標を下回ったのは統計が始まった一九九九年以来、これまでに唯一回の二〇〇〇年に続いて二度目。二〇〇〇年は目標六%に対し、五・九七%で昨年のような大番狂わせは初めてのこと。
 IBGEのアナリストは、昨年のインフレ率の低下には三つの要素がからんでいると指摘している。一つは農産物の豊富、二つ目はドル安相場の持続、三つ目は企業の経費の横ばいを挙げている。
 昨年の農産物の収穫は一億一六六〇万トンの豊作で、食料品の値上げを小幅に抑えた。食料品の物価指数はわずか一・二二%の値上げとなり、レアルプラン(一九九四年)以降では一九九七年の一・二二%に並ぶ最低数値となった。ドル安相場も食料品価格に影響を及ぼしたが、衛生用品(マイナス二・二九%)、テレビや通信器具(マイナス一二・〇%)などによりインパクトを与えた。企業経費では国定電話料のマイナス〇・八三%が目立った。
 世界で物価指数によるインフレ率で最高はベネズエラの一二・一%で以下順にアルゼンチン(九・八%)、ロシア(九・五)、インド(四・九%)メキシコ(四%)、アメリカ(三・六%)、EU諸国(二・三%)。中国(二・三%)、英国(二・二%)、ドイツ(一・八%)、最低は日本の〇・二%だった。