2007年1月20日付け
【既報関連】初代理処罰の裁判は二月六日――。九九年に静岡県浜松市で起きた女子高生死亡ひき逃げ事件で、事件後、帰伯逃亡したミルトン・ノボル・ヒガキ容疑者の起訴が十八日午後に決定された。ニッケイ新聞はこの件を担当するマリオ・ルイス・サフーボ検察官に今後の予定を尋ねた。
「日本の警察の仕事は完璧だ。とても良くできた書類で驚いた」。サフーボ検察官は、昨年末に日本から届いた書類に目を通した感想をそう語った。
第一回の公判日は二月六日で、サンパウロ市サウーデ区にあるフォーラム・ジャバクアラで行われる。まずはヒガキ容疑者が出廷して、自身の弁明をする予定だ。第二回の公判で、証人の証拠が開陳され、通常であれば第三回で判決が下されるという。
「通常なら六カ月から七カ月で終わる。今回は日本に新しい証言を求めることもありえる。もしそうなると、もう少し時間がかかるだろう」という。
新しい証言が必要になった場合、日本の法務省などに依頼し、その証言を全てポ語に翻訳してブラジル在外公館の認証を受けるなど、時間と手間がかかる。
十九日午後現在で、まだヒガキ容疑者側の弁護士は知らされていないが、「おそらく誰かがつくだろう」と予想している。
「関係政府筋が協力して当たっているので、きっと迅速に処理できるものと思っている」と語った。
この件を担当する裁判官は、アントーニオ・アウバロ・カステーロ氏。法廷の傍聴席は四席ほどしかなく狭い。ニッケイ新聞が取材に訪れたとき、同裁判官は不在だった。
初めての代理処罰公判だけに、同フォーラムには日本からのマスコミも集まっている。
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ヒガキ容疑者は一九九九年七月に浜松市内で落合敏雄さん=浜松市在住=の長女、高校二年生だった真弓さんが乗用車にひき逃げされて死亡した事件で、事件後、帰伯逃亡していた。ブラジル刑法によって容疑者を裁判にかける「代理処罰」に必要な書類が十二月に、日本側からサンパウロ州検察局に届いていた。