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結束乱れるメルコスル=加盟国増えるたびに

2007年1月24日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】ルーラ大統領は十八日、メルコスル(南米南部共同市場)は経済だけのプロジェクトではないと地政学的幻想を打ち出したことで、エ紙が次のような論説を掲載した。経済プロジェクトが中途半端なところで、何ができると思っているのか、茶番劇はもうたくさんという。
 十八日に開幕したメルコスル首脳会議では、共同市場設立の趣旨がチャベス大統領の飛び入りでバラバラにされた。会議の主要議題であるボリビアの加盟は、同大統領の弟子、モラレス大統領の駄々で難航した。モラレス大統領は、いかなる通商協定も締結しないと出席者を面くらわせた。
 メルコスルは加盟国が五つになったことで、四カ国のときより結束が乱れた。それが六カ国になったら、鶏小屋のようになる。アモリン外相は、加盟国が増える度に生みの苦しみを味わうのは自然の理だという。
 しかし、ここに二つの疑問がある。伯亜両国が関税協定を巡って夫婦喧嘩をしたこと。それから加盟国の強化は、喧嘩の強化も伴ったことだ。チャベスとモラレスの兄弟分は、メルコスルの中に不協和音を高めるだけで、本来の趣旨とは遠いものにした。
 メルコスルの急務は、関税協定を締結し、国際市場へ挑戦する強固な通商市場を築くことだ。メルコスルが先進国の保護主義攻撃にこだわっている間、得意先が食いちぎられている。現実的な動きをしているのは、パラグアイやウルグアイの弱小国だけだ。
 経済だけがメルコスルの目的ではないというが、経済抜きの外交は無意味である。経済は外交の中心だ。経済の地盤を固めるための外交である。現在、経済の伯亜関係は投資の相互乗り入れで緊密化している。
 サンパウロ市とブエノス・アイレス間の空路は、エアーバス化した。ブエノス・アイレスのポ語塾は超満員。しかし、伯亜間の関税協定は頓挫し、フィクションになった。両国には生産的な話し合いの場がなく、的外れの中傷に終始している。
 パラグアイやウルグアイなど立場の弱い国々を無視し、弱小国の産業発展には手を貸さないとして、チャベス大統領から伯亜両国は帝国主義呼ばわりされた。ベネズエラのメルコスル加盟は、帝国主義の呪縛から弱小国を解放する宣言だというのだ。
 しかし、ボリビアは弱小国でも一筋縄には行かない国で、メルコスルに頭痛の種をもたらす。メルコスルはこれから国際問題で、ボリビアのためにホゾを噛むことになる。