2007年1月25日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】二十五日で四五三歳の誕生を迎えたサンパウロ市だが、人口分布の変化により徐々に変貌をとげつつある。女性が男性よりも多いのは過去から変わりないものの、平均寿命が長くなり、過去一〇〇年間で最高となった。州立データ分析研究所(SEADE)が二十三日に統計を発表したもので、サンパウロ市の人口は過去最高の一〇八一万二〇〇〇人となった。
しかし、八〇年代の人口増加率が年間一・一%だったのに対し、二〇一〇年までは〇・五%で推移するとみられている。その原因として他市から流入移民が減少し、逆に流出現象となっていることが挙げられている。八〇年代に一戸当りの平均家族構成が四・一人だったのに対し、昨年は三・二%になったことでも実証できる。
女性の数が多いのは歴史的傾向ながら、昨年は男性を九%も上回った。全国的に殺人犯罪が増加しておりサンパウロ市もその例外ではなく、男性の犠牲者が後を絶たないのも女性生存の上位時代となっている。この影響で六〇歳以上の女性の占める割合は、男性より四八%上回っている。
また特に注目されるのが、平均年齢が三一・三歳と中年層が急増したことにある。この原因は前述の殺人犯罪の犠牲者や交通事故で死亡する若者が急増したのと、出生率が減少したことにある。
八〇年代でのサンパウロ市における出生率は平均一人当り三・二人だったが、近年では二人以下の少子化となっている。また出産年齢も変化を見せている。八〇年では十八歳未満の母親は三・三%だったが、九八年にはピークの七・六%となり、近年では六・二%へと減少した。いっぽう、三十五歳以上で出産した女性は八〇年で九・二%だったのが、一三・八%へと増加した。
昨年の新生児誕生は一日平均四九一人で、ピーク時の八二年(七〇二人)の三〇%減となった。同研究所はこれまでのデータを意識調査に基づき、〇七年は一七万九〇〇〇人の出生を予測している。命名はペドロ、ガブリエル、ジョアン、ジューリア、マリア・エドアルダ、ジオヴァナに人気が集中しているという。
反面、昨年の死亡者は一日平均一七五人で、八〇年代と大差がない(ただし八〇年代の人口は一五%少なかった)。幼児の死亡率は八〇年代の二一%から三・六%となり大幅に改善された。サンパウロ市住民の結婚式は〇六年、一日平均一四九件で、再婚は男性が一一・二%と女性の七・四%を上回った。