2007年1月27日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】セーラサンパウロ州知事は二十五日、経済活性化法案(PAC)を粗雑であいまい、かつ矛盾に満ち、経済成長に遠く及ぶものではないと酷評した。同法案は投資促進を奨励するように見せかけているが、どれも既に進行中の案件であり、あたかも政府の自発的意欲のように仕組んだ欺まんの構造だと指摘した。中央銀行が二〇〇七年の経済成長率を三%と公表しているのに、虚偽の捻出資金で四・五%達成とは下心が見え透いているという。地方自治体は陳情を泣き言に終わらせないで結束し、政府の誠意ある対応を要求すべきであると呼びかけた。
PACは経済活性化政策ではなく、経済の失政を糊塗するものだとサンパウロ州知事は評した。これまでの経済活性化法案と異なるところはなく月並みの構想で、特記する内容はない。地方自治体は経済活性化の独自案を政府に受理させるため、州知事らが結束することを同知事は求めた。
サンパウロ州知事の声明発表は、一〇年の大統領選への布石ともとれる現政権の仮面を剥ぐ辛らつな内容であった。中銀通貨政策委員会(Copom)は、意見が二分しても高金利を引き下げる様子はなく、ブラジル経済の発展を妨げる以外の何物でもないと非難した。
中銀のCopomメンバーは政府子飼いの人間であり、正しい判断が出来ない。ルーラ大統領の高金利政策とレアル高政策は、経済失政の見本である。経済理論の誤りではなく、情勢判断の誤りであると同知事は糾弾した。
地方自治体は、連邦政府へ交付金の支払を陳情する物乞いではない。政治の折り目を正すため、州知事は国家戦略にも参加する権利と義務がある。州政府は、にんじんで操られるやせ馬ではない。政府は国家予算を私利私欲に利用し、経済活性化など眼中にない。経済活性化案(PAC)のサンパウロ州関係では、地下鉄とロドアネル、鉄道環状線を戦略計画から除外している。
セーラサンパウロ州知事の蜂起に呼応したのはマット・グロッソ州のマジ知事、商品流通サービス税(ICMS)でものを申すと名乗り挙げた。続いてブラジリアのアルーダ知事は、知事昼食会の招待状をばらまいた。事前打診のないインフラ整備と小切手税の期限延期、連邦政府による州税一括徴収の抗議など不満タラタラである。
「ジウマ時代」と批判されたことでロウセフ官房長官が、PACは雷雨の前の稲妻ではなく、貧血状態への輸血だと言い訳をした。また当然の成り行きとして生まれた結果であるという。州知事らがPAC攻撃を機会に州知事連合を組織したことで、PACは野党を招じるため城門を開いたのではなく、資金調達のために開いたと説明。
党内でも「PACが成功するならば、官房長官は次期大統領候補である」とささやかれた。官房長官は、プラナウト宮で「鉄の女」として君臨する意向はないし、大統領のラスプーチン役を演じることもないと弁明。ジルセウ前官房長官のブログによると、大統領のラスプーチンはポスト・ルーラに野心満々のメイレーレス中銀総裁だという。