2007年1月27日付け
全国大学生サンパウロ研修が、八日から十九日にかけて、国際交流基金サンパウロ文化センター(西田和正所長)で開催された。参加した大学生はAグループ、Bグループ合わせて十七人。ブラジル各地で日本語を学習している大学生らは、それぞれ五日間の研修の間に、講義や文化体験、実践を通じて、日本語のみならず日本の習慣や文化、社会問題について学んだ。
吉川真由美専門講師主任は、日常的に日本語を使う機会のない地域の学生でも「できるだけ、日本語を使う機会を多く提供していきたい」と話していた。
日本語中級レベルの学生が集まったAグループでは、ビデオ学習の後、それぞれの疑問についてブラジルに暮らしている日本人に直接インタビュー。「なぜ日本の家族では会話が少ないのか」「なぜ大学生はあまり勉強しないのか」「電車内で寝るのは普通か」といった質問がなされた。
ポルトアレグレから参加したペドロ・バラシーニさんは、日本人のイメージは『よく勉強する、働く、酒を飲む』だったが、「ブラジル人と似てるところがある」ことを発見。「ステレオタイプだったイメージを変えることができてよかった。もっと日本人と直接話したい」。
ニルトン・ジョゼ・ブラスさんは「どんな社会にもルールがある」と切り出し、「小学校で厳しくされたので、大学生になって勉強しなくなるのではないか」と、インタビューから得た考えを報告した。
吉川主任は、ナタールやポルトアレグレなどからの生徒を例に、「日本語を勉強しづらい環境にあっても、これだけ上達できる」と感心し、「インターネットもあるし、自分から進んで情報を探すからでしょう。学校には勉強の成果の〃確認〃をしに行っているのだと思います」と話していた。
日本語初級レベルを集めたBグループは、リベルダーデでオリエンテーリングを実施。
「『はっぴ』や『桜餅』と一緒に写真を写す」と課題を出されたグループは「はっぴは何」「桜餅はどれ」と苦労しながらも、積極的に協力者や店員に日本語で質問していた。
参加者の一人のパブロ・ラセルダ・シルバさん(23)は、「やっぱり日本語は難しい」話しながらも、「でも本当に楽しかった。もっと勉強をして、いつか日本へ行きたいです」と日本語習得に向けてますますやる気を見せていた。