2007年1月27日付け
桧垣容疑者は〃犯罪者〃という悪役イメージより、よくいる気弱な日系青年だと供述書を読んで感じた。捜査のスキをついて国外逃亡したというより、気弱だからとにかく飛行機に飛び乗った。ブラジルでは、何気ない顔をして就職結婚して第二の人生を送りながらも、内心は日本からの追っ手にいつもビクビク…。今では、親類と顔を合わす機会もほとんどない状態だとか。お爺さんの桧垣さんはどことなく心安らぐような風景を描写することが巧みだったが、孫の失態を天国からなんと言っていることか?
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先般、リベイラ地域の関係者が百周年協会を訪れた時のこと。記念事業計画案のほかに、一行から松尾執行委員長に一冊の厚めの冊子が渡されていた。聞くと、レジストロ初期入植者の一人で二十年ほど前に亡くなった広田栄郎さんの日記をポ語に訳したものだという。同地の海外興業事務所で書記をつとめた同氏。レジストロ移民史にとっても貴重な史料である日記の翻訳はぜひ進めてほしい試みだ。ただ、長年の日記は膨大な量に上るため、今はまだ要約の段階だとか。ちなみに、百周年を前に同市議会議長に就任したニウトン・ヒロタさんは広田氏の孫。奇妙な因縁、とは考え過ぎか。
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本面十日付け「文協の評議員郵便投票へ注目集まる」の記事で、中村正広事務局長代理の話として「昨年末までに会費を払っていない会員は投票資格を喪失している」と紹介したが、後日、同事務局から訂正が入った。三月下旬に行われる予定の定期総会の十五日前までに払った会員は投票できる、とのこと。つまり会費を滞納している会員は、今からでも間に合う。ちなみに新会員の場合は、総会の六カ月前、昨年九月までに理事会で会員として承認されていないと投票権はない。