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4%成長で大停電発生か=財務省、内部資料で警告=民間企業は電源開発に足踏み

2007年1月30日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日、二十九日】先週発表された経済活性法案(PAC)にともなうルーラ大統領の二期目政権の政府指針で、国内総生産(GDP)成長を五%台とすることが目標として揚げられたが、経済アナリストらは四%になった時点で、電力供給がパンク状態に陥り、大停電を引き起こすだろうと警鐘を鳴らしている。
 財務省経済管理局が省内資料で警告を発したもので、三・五%の経済成長で電力供給は黄信号がともり、節電を余儀なくされる事態となり、四%以上では極度の赤信号に転じると指摘している。これに対し、ロンドー鉱山エネルギー相は二十八日、公式コミュニケを発表し、供給不足のリスクは伴うものの、最悪の事態は避けられるとの考えを強調した。
 財務省のアナリストらによると、現存の水力発電所が一〇〇%機能を果たすと短期的に問題は生じないとしているものの、過去の例では満足な供給状態になかったことから、これに期待はできないと指摘している。また火力発電もボリビアとの天然ガス供給問題がこじれていることで、燃料の不安定による不透明な事態に陥っていることを挙げている。
 コンサルタント会社のPSRによると、電力の需給バランスは二〇〇八年に消費が〇・六%上回り、〇九年は二・二%、一〇年には二・五%に上がるとしている。またリオ連邦大学の分析では、GDPが四・七五%成長を遂げると、供給不足は五%以上に達すると予測している。
 PACにはエネルギー分野でのインフラ整備に一〇年までに二七四八億レアル、今年のみで五五〇億レアルの予算が盛り込まれた。しかし民間主導を骨子としており、投資する民間企業には連邦税の免除や社会経済開発銀行(BNDES)の融志の二十年間据置(これまでは十四年)の恩典が与えられた。
 しかし民間企業には二つの難題が横たわっている。一つは環境保全法で、水力発電新設は自然破壊だとして、ことごとく反対されてきた。この判断は連邦政府、州や市が独自に下してきた。このため関係者は水力発電新設を優先する法令が必要だと指摘している。この法文化に複数年要することから、短期的な解決は望めない。
 もう一つは電力価格で、民間企業が多大な投資をしても見返りがなく、投資金の償却もおぼつかないことで二の足を踏む企業が多い。現在二十六カ所で水力発電所の新設計画があるが、プランの域を出ていない。昨年十月、リオデジャネイロ州で二カ所の入札が行われたが、応札した企業は皆無だった。