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新会館建設など4事業=沖縄県人会=100周年に向け動く=記念行事の責任者配置=母県に資金援助要請へ

2007年1月30日付け

 ブラジル沖縄県人会(与儀昭雄会長)は、県人会独自となる百周年実行委員会の準備会議を十九日、サンパウロ市の同会会館で開いた。役員ら約二十五人が参加。会議では、新会館の建設などの四つの記念事業や、十にわたる記念行事の責任者が決められた。昨年、創立八十周年を迎え、盛大に式典を開いた同県人会。節目の年に向けても着実な動きを見せていると言えそうだ。
 沖縄県人会の記念事業は今のところ「新会館建設」「百周年記念碑の建設」「移民九十周年記念誌翻訳」「写真で見る百周年」の四つ。今回の会議で、それぞれに与儀会長、山城勇氏、与儀哲夫氏、宮城あきら氏が責任者に就任した。
 与儀会長の説明によれば、〃新会館〃建設プロジェクトは、現段階でジアデーマ市にある沖縄文化センターを増改築する形にする。県人交流の場を充実させる目的で、スポーツセンターや沖縄伝統芸能の研究センター、高齢者向けのゲートボール会場、地方の会員向けに四十人ほどが泊れる宿泊スペースを設ける案が出ている。
 新会館の名前は今後検討する方向で、現在サンパウロ市にある県人会の会館は、売却せず会議用として使用を続ける予定だ。
 二つ目の事業は百周年記念碑の建設。ジアデーマ市内か新会館敷地内に県人ブラジル移住百周年を記念した慰霊碑を建てるもので、同碑には第一回移民船の笠戸丸に乗船者した県人ほか、先没者の名前を掘り込み、毎年おこなう慰霊祭の会場にするという。
 三つめの事業である「移民九十周年記念誌翻訳」は、二〇〇〇年六月に刊行された同書を二世がポ語に完全翻訳し、県人移住者の歴史を後の世代に伝えていくことを目的にする。数年前から準備が進められており、現在、作業のほとんどが終っている。
 この他にも「写真でみる百周年」と題した写真集の出版を予定。県人会に眠っているメモ付きの多数の写真を整理し、ブラジル移住百年と県人会創立八十年の歴史を振り返る写真集にまとめあげるという。
 与那覇朝昭事務局長によれば、すでにこれらの事業の青写真をつくりあげ、母県に資金援助を要請済み。今年の三月から四月ごろに改めて具体的な事業案を伝える運びだという。
 県人会の移住百年祭は、〇八年八月二十二日から二十六日までの四日間に開催。記念式典や国際女性フォーラム、追悼慰霊法要ほか、青少年交流や国際フットボール大会、国際柔道大会、国際ゲートボール大会、第二回海外ウチナーンチュ会議などの十の記念行事を期間中におこなう。
 会議では席上、記念事業の責任者のほかに、各イベントの代表者も合わせて決められた。来月二十二日と二十五日に予定している第一回百周年実行委員会と県人会定期総会までに、それぞれがメンバーを集めて事業内容を詰めていくことになる。
 与儀会長は「沖縄県人は世代交代がすすみ、先人の歴史を後世に残す必要性が迫られている。今やらないと現在、残っている貴重な史料も将来意味がなくなってしまう」と話し、各記念事業の必要性を強調している。