2007年2月1日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】リオデジャネイロ州リオ・ボニート市(リオ市から車で一時間半)で今月七日に発生した、宝くじ成金の男性が殺害された事件を捜査している同市警察は三十日、被害者の妻(29)を主犯格と見なし、殺人教唆の疑いで逮捕した。
犯行が立証されると十二年から三十年の量刑が適用される。捜査課は裁判所の許可のもとで通話記録および盗聴、さらに銀行口座の開示でクロと断定した。これにともない実行犯の軍警および共犯を含む四人も逮捕した。いずれも夫婦のボディガードだった。また妻の愛人は事件に関与していなかった。
事件は今月七日、被害者(54)の行きつけのバールで発生した。四人組が四発の銃弾を撃ち込んで逃走、被害者は即死した。被害者は二〇〇五年七月に賞金が累積したメガセナと呼ばれるロットくじを当て、賞金の五二〇〇万レアルを一人占めにして話題となった。このため事件の背景に金銭がからんでいるとの見方が強かった。
警察では当初、前妻との間に生まれた一人娘が財産欲しさで犯行に及んだとして疑いの目を向けた。しかし現在の妻が愛人と不倫関係にあることや、被害者との間で派手な口論が繰り返されていたこと、さらに二人が、年齢差があるにもかかわらず〇六年一月に結婚したことから、財産目当ての結婚とみて妻の身辺を捜査し始めた。
電話の盗聴で妻は実行犯らとひんぱんに連絡を取り合い、逃亡の打ち合せを行っていたことを突き止めた。妻は逮捕時、ニテロイ市の高級ホテルに投宿していたことから高飛びする準備をしていたとみている。
被害者は畑仕事、肉屋の店員、露天商などを転々として金には無縁だったが、成金になるや、十人兄弟にことごとく家や車を買い与え、友人にも気前良く金を貸すなどしてきた。関係者は、妻が財産が消失するのを恐れて殺害を企てたものとみている。