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「南米会館」売却へ=拓大学友会が総会=会の方針話し合う

2007年2月1日付け

 拓植大学学友会ブラジル連合会(西谷輝久会長)の定例総会兼新年会が、一月二十七日、同会が所有する南米会館で開かれた。今月開催されるパン・アメリカ支部会議への参加が確認されるとともに、現在売りに出している南米会館の処理について、また連合会として会館を所有することの是非について話し合いが行われた。大学同窓生の集まりで会館を所有しているのは東京農業大と拓大のみ。会員が減少していく中で、学友会としての今後の活動のあり方も検討された。
 「今後、新しい卒業生がブラジルに来ることはほとんどない。留学生も少なくなっている今、どうやって活動を続けていくのか」。 定例総会では、連合会の今後の方向性が議題にあがった。
 現在の会員は約七十人。そのうち会費を収めているのは約二十人だ。「会館があったからこそ、第一回パン・アメリカ支部会議ができた」という声もあったが、一軒家の維持管理を行っていくことは、容易ではない。
 総会では、「現会館を売って、学友会からの支援金四百五十万円と合わせて、新しい物件を探そう」と一案が出されると、「お金がもらえるから、新しいものを用意するというのはおかしい。本当に必要性があるかを考えるべき」といった意見が述べられた。
 また、ブラジルを訪れる在学生や卒業生のために、宿の提供や期間などを明記した詳細な会員名簿を大学側に提出し、「日本からの学生の受け入れ態勢を準備しよう」との提案がなされた。
 連合会で話し合われた内容は、パン・アメリカ支部会議の議題として、再度話し合われる。
 西谷会長は「これから活動を続けていくにしても、何か積極的なことをしていきたい」。「事業としては何もしていないに近い」状態から、「人脈を活かして密な連絡をとり合っていこう」と呼びかけた。
 今度の総会には十一人が参加。総会後には場所を移して新年会が行われた。
【学友会ブラジル連合会】拓大の移住者が最も多かったのは一九六〇年前後。そのころから集会はあったが、正式に学友会として結成されたのは八九年。会員は約百五十人ほどだった。国内にはノルデステ、ミナスジェライス、リオ、サンパウロ、スールブラジルの五支部をもつ。
 九三年に、学友会の支援を得て、敷地面積約四百平米、二階建ての民家を購入、「南米会館」とした。二〇〇〇年の拓大創立百周年には南北アメリカの十八支部をまとめ、汎米支部だより「拓窓」を発刊している。
 パン・アメリカ支部会議は、ブラジルで開催されたのを初回に、アメリカ、カナダと続き、今年二月、アルゼンチンで第四回目が開かれる。