2007年2月6日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】地球の温暖化の影響が問題視されている中で、ブラジルが受ける打撃が世界各国のそれよりもはるかに深刻であることが表面化し、早急な対応が迫られている。
先に行われた政府間気象変化パネルディスカッションに参加した航空調査研究所のメンバーが警告を発したもので、温暖化は想像を超える速さで進行しており、ブラジルでは経済に多大な損害を与え、植物や動物の生態に変化が生じ、沿岸地帯は地理および海流に狂いが出てくると指摘している。
これを受けてシウヴァ環境相は関係者と調査機関に温暖化の実情と影響の調査を命じた。調査は数カ月を要するが、その結果を見て具体的な対応策を検討する。これにともない同相は、他の国と同様、現在は戸惑っているのみで対応策は暗中模索の状態だとの胸中を明かした。
同研究所によると、アマゾン地区の温暖化が最も深刻で、今世紀末までに世界各国の平均温度が三度上昇すると予想されている中で、アマゾン地区は八度に達するとしている。これにより森林は三〇%消失しセラード化する。このため地球環境は変化し、世界各国のガス規制がより厳しくなる。またアマゾン地区の植物や動物のかなりの種類が絶減し、自然環境が破壊されることになる。
南東部でも五度上昇して集中豪雨が頻繁となり、暴雨風に見舞われ、天災が多発するという。これにより公私の経済的被害は莫大なものとなる。また、沿岸地帯では海水面が上昇、これにより海流が変化し、魚介類の生息に変化が生じ、漁業に打撃を与えるとみている。
経済的影響では主要農産物の減少がある。凶作に直面するのが大豆とコーヒーで、大豆は七〇%の減産を見る向きもある。米とトウモロコシはそれぞれ三〇%減となり、家庭の台所を直撃することにもなりかねない。