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コラム 樹海

2007年2月6日付け

 日本人移民は「農業の神様」と称えられ―実際の功績も大きい。正確な数字は不明ながらサンパウロ州内で日本人移民が切り拓いた原始林や再生林は数百万ヘクタ―ルに達するのではないか。山の樹木を伐採するときの先駆者はサッペ小屋に泊まり命を掛けての苦闘であったと古老から聞いた。そこを山焼きしコ―ヒ―や米・ミ―リョなどを植えて豪邸の夢を抱きながら眠りについたそうだ▼今ならかなりの批判もあるだろうが、先輩移民たちが辛苦と闘いながら農地を手にしようとした頃は時代背景が異なる。開発が第一の考え方であり、20世紀初頭の世界には開拓の斧の音が鳴り響いた。だが―森を壊し木々を倒したことへの反省も欲しい。そしてもし可能ならば、先駆者らの子孫である我々が行動に移して実際に取り組むの気概を持ちたい▼山に再び緑を―の計画である。コチア青年らの森もあり、産業青年開発隊にも同じような構想があるらしいが、こうしたものを一本化し少なくとも300ヘクタ―ル規模の森を海岸山脈に造りたい。ブラジルの樹木を植えて公園にし誰でもが自然に親しめ木々が放つ芳香に酔い痴れる喜びを味わえるような山々である。移民百周年の記念事業としてスタートが切れれば最高でありこんなにいい話はない▼「百年の夢」と題し鶴我博文さんが小紙に投稿していたが、この「夢」を大切にしたい。この計画が始まっても「夢」が実現するまでには30年が必要だろうが、森を訪れた人々は何時の日か日本人移民が造った森として尊敬するだろうし、環境保持の観点からも是非に進めたい「山に緑を」なのである。  (豚)