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ドル、9カ月ぶりの安値=中銀の介入押し戻し=楽観ムード支配の金融市場

2007年2月7日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】楽観的な見方が支配している金融市場は五日、好材料が後押しして活発な取引が展開された。JPモーガン銀行が査定するカントリーリスクが史上最低の一八〇ポイントに引き下げられたのを背景にドル相場が九カ月ぶりの安値となる一ドル二・〇九四レアルで取引された。
 サンパウロ証券取引所の平均株価指数は、今年一月二日に記録した最高値の四万五三八二ポイントに迫る四万五二八六ポイントを記録した。
 金融アナリストらによると、この原因としてアメリカの中銀に相当する米連邦準備制度理事会(FRB)が先週、基本金利を年利五・二五%に据置くことを決定、さらに短期的に上昇はあり得ないとの姿勢を示したことにある。これにより世界的アナリストらに、短期および中期的にアメリカ経済は安定を保ち、リセッションはないとの見方が強まった。
 これを背景に、ブラジルを始めとする開発途上国に外国からの投資が集中した。ブラジルはカントリーリスクの引き下げも後押しとなり、大量のドルが流入、これがレアル高につながり、株価指数の上昇の原因になったと分析している。
 これと並行して中銀のドル買い介入のピッチが上がっているのも市場に好印象をもって迎えられている。中銀は積極的なドル買いを展開し、先週三日間のみで一二億ドルを購入、一月の総額五六億ドルを加えてこれまでの外資準備高を九一九億ドルとした。このままのペースでいくと、三月までには一〇〇〇億ドル以上に達する。
 ドル安で為替問題が取りざたされてきた中で、中銀はドル相場への介入を頑なに否定してきた。しかし外貨準備金が累積したことで、方向転換を余儀なくされることは必至となった。フラガ元中銀総裁は良い意味での「問題提起」であり、幅広く議論されるべきだとの見解を示している。
 このほか金融市場の楽観姿勢は、経営収支が二月第一週で早くも三〇億ドルの黒字に達したことと、工業生産が十二月と比し活気を帯びてきたことが挙げられている。