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日本会議「日本女性の会」の会長に就任=小野田夫人の町枝さん=「荒廃の日本再建のとき」=「日系人の家族愛はいいお手本」

2007年2月7日付け

 「ブラジルの日系人には日本魂が残っている。その心にブラジルで触れて、知っている私だからこそ、それを日本に伝えたい」。日本会議の女性団体「日本女性の会」会長に、ブラジルへの移住経験のある、小野田町枝さん(69)が就任した。今回、ブラジルでの約三週間の滞在を経て日本へ帰国するにあたり、五日、ニッケイ新聞社の取材に応え、会長としての今後の抱負を語った。
 町枝さんは、戦後フィリピンで三十年を過ごし、帰国後一九七五年にブラジルに移住した小野田寛郎元陸軍少尉(84)の妻。
 就任式は、昨年十二月九日、明治神宮会館で悠仁さまのご生誕祝いとともに行われた。雨の中、約二千人の来場者が訪れ、町枝さんの就任あいさつに耳を傾けたという。
 「日本の荒れた教育の現状に、母親、女性が本当の力を発揮するときだと思います。日本人はやる気を起こせばできる力があるのだから結集して、男女の相違を尊重しながら、真の女性の力を出していくべきです」。
 町枝さんは、安西愛子元参議院議員に代わって、会長に就任した。これまでは、日本で小野田さんが赴く講演会の手配を管理、調整し、講演活動に同行して各地を回ってきたが、最近では自身の経験を語る講演も行っているという。
 「ブラジルでの開拓を通して、嫌なことでも耐えてやり抜けば、苦しみも楽しみに変わるということがわかりました。それから、ブラジル人はおおらかだということ。何より、ブラジル人は愛国心、家族愛が強い。日本の日本人は見習わなくてはいけない」。
 日本に帰国した直後から五月上旬まで、鳥取を起点に全国を廻っての講演生活が始まる。今回の帰伯中にも小野田さんと町枝さんは、アルゼンチンを訪れて講演を行った。「今の日本をよくするようにと励まされました。海外にいる日本人が恥ずかしいって」と町枝さん。
 会長就任の話が出たときには、「主人のために生きると決めたのに他のことで忙しくなるのはよくない」と固辞していたが、「自然塾をやってきたのも日本をよくするため。主人も賛同してくれましたし、『日本をよくするためならやろう』って思いました」。
 現在、南マット・グロッソ州にある牧場の経営は安定し、「ブラジルには楽しみに帰ってきている」。「こっち(ブラジル)でブラジル日本会議の人が頑張っているから」と笑顔を見せ、「心の豊かさの欠けたところに、伝統ある古きよき日本の再建を目指していきたい」と力強く抱負を語った。