2007年2月9日付け
公民権運動が高まりを見せていた六〇年代、プロテストソングで名を馳せたボブ・ディランは、「時代は変わる」と歌い、世情を代弁した。
イラクへの従軍命令を拒否したとして、米国日系三世のエーレン・ワタダ陸軍中尉が軍法会議にかけられている。「イラク戦争は違法」と声明を発表、今では全米反戦運動の象徴となっている。
第二次大戦時、日系二世たちで構成され、ヨーロッパ戦線で活躍した四四二部隊。アメリカへの忠誠を尽くすことによって、彼らが求めたものを考えるとワタダ中尉の存在は、まさに―の感がある。
ブラジルへの移住は来年で百年、日本へのデカセギによる再移住が始まって十五年以上が経つ。日系人を取り巻く環境は刻々と変わっていくのだろう。「答えは風に舞っている」としかいいようがない昨今の状況ではある。 (剛)