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大豆を例外にして=メンデス氏語る「日伯交流は続く」

2007年2月13日付け

 ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)が、九日、定例昼食会をソフィテルホテルで開催した。デロイト社の鈴木孝憲最高顧問が経済成長加速化計画(PAC)の要旨を説明した後、ANEC(国家穀物輸出協会)のセルジオ・カスターニョ・メンデス会長が「ブラジルの穀類生産、インフラ、輸送ならびに輸出の見直し」について講演を行った。
 鈴木氏は「PACはルーラ第二政権の目玉政策」と切り出した。PACは需要改善、貧困対策、失業や所得格差などの問題に対処するため、二〇〇七年から十年までの四年間で五千三十九億レアルがインフラに投資される。年間約五%の経済成長を目指す計画。投資額は、〇六年度ブラジルGDPの二五・八パーセントにあたる。
 投資分野の内訳は、発電や石油、天然ガスなどのエネルギー分野に五四・五%、電化や上下水道の整備など社会・都市関係に三三・四%、道路、鉄道、海運など輸送分野に一一・六%。
 地域的に見ると、総額の三五%を全国規模のプロジェクトに、二五・九パーセントを大都市を抱える南東伯にあてる。
 PACには、政府予算から六百七十八億レアルがさかれるというが、他の資金について「はっきり固まっていない」と鈴木氏。「国民の税負担が大きくて経済の反応が重くなっており、構造改革なしでは限界にある」と評した。
 ルーラ政権は「どうしても成長に軸を移したいとしながらも、痛みを伴わないようにしている漸進主義。政府や国営企業を含め、国民が同じ税負担で本当に投資動くのかが鍵だ」と話した。
 メンデス氏は、大豆に焦点をあてた上で、「相場は、過去十五年間の平均で悪くない。悪いのは為替レートだ」。九六年の輸出量が三百万トンだったのに対し、現在は二千五百万トン。「輸出量は七倍になった。ブラジルの強みは農業にある」。
 大豆生産の問題点は、「非効率な道路輸送をしていること」。輸送コストを考えると、今後、北部からの輸出が増えると話した。
 対日輸出に関しては、「大豆は減少傾向。他の品目が増えている」。中国への大豆輸出が増加していることにふれつつも、「日伯関係は大豆を例外にして、これからも交流が続いていく」と締めくくった。