2007年2月13日付け
熱波と水不足。花粉症も急増する。海水面も約60センチ上昇し南太平洋の島嶼からなる国家の被害は莫大なものになる―と怖い予測が並ぶ、これは国際的な専門家でつくる「気象変動に関する政府間パネル」の報告書が述べる温暖化への警告である。今のように化石エネルギ―に依存しておれば、2080年には気温が3―5度上がり、水不足人口は最大で32億人に達し、世界の5人に1人が洪水の危機の見舞われる▼地球の温暖化が進むのは、石油や石炭などを燃やして発生する二酸化炭素(CO2)が増加するためだとされる。このCO2減少を目指した京都議定書もあるのだが、最大の排出国であるアメリカが不支持など順調な進展がないのが現状といっていい。報告書は21世紀の100年を単位とし見通しを立てているが、地球温暖化の影響はもう出ている。北極海の海氷が溶け、03年に欧州で起った熱波の死者は3万人を超え日本の1月の気温は観測史上最高を示している▼もし海面が1メ―トル上昇すれば、日本の砂浜の90%が消失すると環境省は注意を促し、熱波襲来や異常気象が深刻化するとしている。だが、海水面が高くなる被害は南太平洋の島嶼諸国ではすでに現実のものになっている事実にも目を向けたい。そんな国の一つツバルは、大潮が来ると国全体が冠水する危険に晒されている▼ツバルは人口が1万人規模ながらこんな小さな国は南太平洋には多い。日本の援助で高い防波堤を築き高波を防いでいる国もあるし、もう世界規模での温暖化防止に急いで立ち上がる必要がありそうだ。(遯)