2007年2月14日付け
静岡県浜松市役所で七日午後、ブラジル人による犯罪被害を受けた四人が記者会見を行った。昨年十二月に焼津市で起きた母子三人殺害事件で元妻と子供二人を殺されたミサキ・マルシリオ・コウイチさん(46、サントス出身)は、エジウソン・ドニゼッチ・ネーヴェス(Edilson Donizete Neves)容疑者(43)に対し、「死刑では足りないくらい」と怒りの気持ちをあらわにした。
静岡新聞の協力により、ニッケイ新聞が独自に入手した会見内容によれば、ミサキさんは「何の罪もない子供を殺すなんて、僕には理解できない。人間じゃないと思う。人間として生きる資格がない」とネーヴェス容疑者に対する堪えきれない想いを吐露した。
さらに記者団から、帰伯逃亡した別のブラジル人容疑者が「日本人からの差別」を帰伯理由として挙げている点を尋ねられ、「彼らの言い訳だと思う。そんなことして逃げてしまうから、差別されてしまう」と一蹴した。
初の国外犯処罰(代理処罰)となった桧垣被告の公判に関しても、ミサキさんは「(時効に)間に合ってよかったと思う。どんどん捕まえてこういう形で処罰してほしい」とし、今後の抱負には、「山岡さんたちが申請中のNPOに参加して、力を合わせてがんばって行きたい」と述べた。
また同NPOの代表、夫の宏明さん(43)と共に会見した山岡理恵さん(41)は、フジモト・パトリシア容疑者の父親が一方的な書簡を公開していることに関して、「一年間、良心の呵責に苦しんでいるのかと思ったが、本当に残念。怒りを通り越して、絶句といった状況」との心境をあらわし、「遠いブラジルにいるからこういうことを言うのかと思うので、四月か五月にもブラジルへの渡航を考えている」と語った。
今まで日本人がブラジル人を訴えるという図式だったが、被害者グループに日系人が加わり、中立色を増した国際的活動となった。