2007年2月15日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】政府が先頃発表した経済活性化法案(PAC)の国会承認の審議に先立つ事前討論で、与野党の攻防が激化して国会が空転している。これに対し政府はルーラ大統領の肝煎りで修正案を提示して収拾に乗り出した。
最大の争点となっているのは暫定令(MP)三四九号で、PACの骨子となるインフラ整備の政府資金の出所にある。政府案は勤続年限保障基金(FGTS)から五〇億レアルを供出するものだった。これに対し野党をはじめ各業界から基金の本来の目的から外れるものだとして反対ののろしが上がった。その大半は基金の運用に見返りがなく、浪費に終わる懸念があるというものだった。
政府は今回の修正案で基金運用に保険をかけることを約束した。それにより現在基金を管理している連邦貯蓄銀行が特別金利(レフェレンシアル・タックス)で運用して三%の利回り以上の利回りを得た上で、元利ともに還元するというもの。この保険の内容については今後具体的に煮つめることになる。
この保険に関し、前日に開かれた政策審議会でマンテガ財務相が利回り三%で十分だと発言したのに対し、大統領が「それ以上の利回りで資金を保証する手段を考えろ」と一喝したというエピソードも伝えられている。大統領の国会承認に対する意気込みを物語っている。
ロウセフ官房長官、マンテガ財務相、ベルナルド予算管理相の三閣僚は十三日、今回の修正案の説明を国会で行い、議員らの賛同を求めた。下院では同日、四〇〇議員の出席のパイネルが点ったにもかかわらず、出席はまばらで空席が目立った。説明会が始まると一人去り二人去りでほとんどの議員が退場し、関心の薄さが露呈された。そうした中でも議員演説が行われ、与野党間でPACに関する賛否両論が展開された。