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「ウニツール」閉店か=責任者の所在わからず=リベルダーデ

2007年2月15日付け

 閉じたままのシャッターは「閉店」の印か――。リベルダーデ区ガルボン・ブエノ街の日系旅行社「ウニツール」のシャッターがここ一週間ほど前から閉じられたままになっている。同社では最近になり、航空会社やホテルへの支払いが滞っていたらしく、責任者の所在も分からない状態が続いている。
 ウニツールは、かつて日系大手の旅行会社だった「ウニベルツール」の閉店後、社員だったマリオ・イケガヤ氏が責任者となり設立された。
 シャッターを下ろして一週間、その様子を毎日見ていた近隣のガルボン・ブエノ街商店街の定員たちは、口をそろえて「移転じゃないのか」と話す。
 同街では最近にも、近隣の「遠藤ビル」地階に入居する商店の移転話があったことから、ウニツール社の場合も「立ち退きか何かだろう」と想像されていたようだ。
 近くの商店主によれば、九日、同旅行社の職員の一人が店に立ち寄り『DR.FLAVIO(フラビオ) 8310・5957 ADVOGADO』と書かれた紙を同社を訪ねた人へ配布してくれるようにと頼んだという。
 同職員は「責任者の所在が不明」と話していたという。この店主は、職員の残務整理を見て「閉店」を想像したが、「確信はしていなかった」。
 ニッケイ新聞では、残された紙切れにあるフラビオ弁護士に連絡を取ってみたが、口を硬く閉じ、詳細については語ろうとしなかった。
 旅行関係者によれば、二週間前から顧客へパスポートを返却し始めていたという。九日までは社内で職員が働いていたようだ。
 航空会社や、ホテルに対しての支払いも滞っていたらしい。取引先の一つ、日本航空(JAL)では、以前からチケット代金の支払いが遅れていた。昨年十二月に入ってからは一切支払いが行われていなかったことを理由に、十二月中旬、債権取立ての手続を取った。結果、同時点でJALとの契約は切れたことになる。
 JALサンパウロ支店の小松繁彦営業所長は、「同旅行社は十二月後半にはすでに、業務機能として動きはなかったようだ」と話している。責任者と話をしようとしても、所在がはっきりせず、連絡が取れないことを問題に挙げていた。