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モラレス大統領が来伯=天然ガス価格の決着狙い=契約調印へこぎつける

2007年2月16日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】ボリビアのモラレス大統領が十四日、急きょ来伯し、ルーラ大統領との会談に挑んだ。モラレス大統領の来伯の目的は、両国間でこう着状態となっている天然ガス供給価格をトップレベルで決着をつけるものだった。
 一行が閣僚および企業代表のミッションだったことからルーラ大統領は幅広い商業ベースの話し合いを期待したが、会談が長時間にわたりガス問題に終始したことで不満の意を表した。しかしモラレス大統領の積極外交が実を結び、これまでのブラジル側の頑なな態度を切り崩し、契約調印にこぎつけた。
 調印式は十四日午後に予定されていたが、話し合いが長びいたため十五日午前九時に延期された。このため政府は契約内容のコメントを避け、十五日に公式発表すると言明するにとどまった。
 ボリビアからの天然ガス供給問題は昨年五月、同政府の突然の天然資源国有化宣言でペトロブラス(ブラジル石油公団)の精油プラントが接収されて以来、価格面で交渉が難行してきた。これまで輸入価格は一〇〇万BTUs(英国が採用し、ガス数量単位の国際基準とされている)当り四・三〇ドルだった。
 ボリビア側はこれを五ドル以上に値上げすることを主張してきた。新価格は昨年十月にアルゼンチンが受け入れており、これがボリビア側を強気にさせた。しかし、ブラジル側では輸入元のペトロブラスと鉱山エネルギー省が断固拒否してきた。
 新価格には国際価格動向による三カ月毎の調整の条項が含まれていたこともブラジル側の態度を硬化させた。これに業を煮やしたモラレス大統領が乗り込んできたもので、アモリン外相は「両国にとって納得のいく契約」としているものの、ブラジル政府関係筋はボリビア大統領にまたもしてやられたとの声も聞かれた。
 一行の到着が悪天候で五時間以上遅れたため、スケジュールが大幅に変更された。ガス価格交渉が午後十時近くまで要したこともあり、予定されていた国会表敬訪問は取り止めとなった。上下両院の議長は国会前で出迎えのため待機していたが、長時間立ちつくしの待ちぼうけとなる一幕も。国会議員らは国会に対する侮辱だと憤っている。