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北東部と南部が逆転=昨年の工業成長率に異変

2007年2月16日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】ブラジルの両極となる南部と北東部は、これまでの統計で常に対照的な数字を見せてきた。昨年度の工業成長率も歴年同様のコントラストとなった。しかしこれまでとは打って変わり、北東部が急成長を遂げ、南部が衰退するという現象となり、初めて北東部が南部を上回る結果となった。
 ブラジル地理統計院(IBGE)が地域別工業成長を発表したもので、北東部が全国平均を上回ったのに対し、南部は農産物の不振で低調に終った。
 全国の平均成長率二・八%を大きく上回ったのはセアラー州(八・二%)で、電気製品(七一・九%)繊維(一一・五%)、化学製品(三一・八%)が顕著だった。ペルナンブッコ州(四・八%)とバイア州(三・二%)はコモディティの国際価格の急騰と需要の旺盛がブームとなった。
 両州とも鉄鉱石や石油にともなう製品に加えエタノールも好調だった。とくにペルナンブッコ州ではゴムとプラスチック(二七・七%)が特筆され、バイア州では紙パルプ(一八・六%)が根づいた形となった。
 これに反し南部は低調を極めた。リオ・グランデ・ド・スル州は農産物の不振に加え、畜産界では鳥インフルエンザが影響、昨年はマイナス二%成長で、一昨年のマイナス三・六%に続き、はじめて二年連続の下落を記録した。
 パラナ州はマイナス一・六%で、この原因は為替相場による車のエンジン(マイナス二〇・五%)、木工品(マイナス一二・七%)に代表される。サンタ・カタリナ州ではマイナス成長には至らなかったものの、わずか〇・二%の成長とふるわなかった。
 北東部では貧困家族手当(ボルサ・ファミリア)などの浸透で収入が増加したことによる消費の伸びが経済に反映した。特に建築業界が活況を呈し、建材用の非鉄鉱物の伸びが北東部で七・三%だったのに対し、パラナ州で四・八%、サンタ・カタリナ州で三・五%の落ち込みを見せるコントラストぶりとなった。