2007年2月23日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十二日】国内大手銀行による中小企業向け融資が昨年に増加し、大企業向け融資に迫る勢いを見せている。
ブラデスコ、イタウ、ABNアムロ、ウニバンコの大手四行の中小企業向け融資額は昨年七四八四万レアルに達し、二〇〇五年比で二五・七%増加した。同四行は法人向け融資全体の五八%を占める。大手行のサンターデル銀行は、融資額を発表しなかった。
同四行の法人向け融資のうち中小企業は昨年、全体の四九・七%を占め、大企業の五〇・三%に迫っている。〇五年は中小企業四六・七%、大企業五三・三%だった。ABNアムロ銀行は中小企業が全体の八〇%を占め、ブラデスコも五一%と半数を上回っている。
経営教育調査研究所(Inepad)の金融アナリストによると、大企業が株式や社債などを通じて金融市場で資金を調達し、銀行融資の割合を減らす傾向が強まる中、銀行にとって中小企業は融資を拡大し易く、手数料も高くとれる優良顧客になりつつあるという。金利の低下が借方に有利なだけでなく、銀行も公債運用から融資業務へ軸足を移す傾向が出てきている。
今年も個人、法人向け融資は拡大を続ける見込みで、イタウ銀行は中小企業向け融資が一八・五%伸びると予想している。融資拡大に伴い債務返済不履行も昨年に増えたが、大手四行は警戒感も保ちつつも、不良債権はコントロールされており、昨年末以降減少しつつあるとしている。