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注目株はウォッカと日本酒=アルコール飲料の消費年々拡大

2007年2月23日付け

 【エスタード・デ・ンパウロ紙二十日】アルコール飲料の消費が年々拡大しているブラジルで、とくにウォッカと日本酒が急増していることでメーカー筋は有力市場として注目している。ウォッカの消費量の伸びは年間一一%を記録してきたが昨年は三〇%と爆発的となり世界市場で六番目の消費国となった。
 いっぽうで日本酒は年々四〇%伸びており、世界で五番目となっているものの二〇〇七年度は五〇%の伸びになるとみられ、このまま推移すると五年後には二番目のアメリカを抜いて日本に次ぐ消費国になると予測されている。
 ウォッカは昨年トップシェアーのスミルノフが三〇%の売上増、それに次ぐオルロフが一〇%増、昨年新規参入の輸入品アブソルートが倍増を記録するなど好調に推移し、四五〇万ケースを販売、五億レアル産業となった。
 これによりメーカー各社がブラジルに注目している。ロシアのウォッカインペリア〃のオーナーで同国きっての富豪タリコ氏は、カーニバルをブラジルで過ごし、提携先のカンパリ社と現地生産について話し合ったと伝えられている。
 リーダーのスミルノフは今年のサルバドール市のカーニバルの公式スポンサーとして八〇〇万レアルを投じて宣伝に努めた。同社では新たにグレープフルーツとのカクテルを上場、ブームを追風として拡販する。
 同社はブラジルでは一般的カクテルのカイピリーニャのベースをピンガ酒からウォッカに代えた〃カイピロスカ〃で成功を収めたことから、果物カクテルを開発、グレープフルーツは八番目となる。甘い味を好むブラジル人、とくに女性層と若い世代に受けるはずと意気込んでいる。
 オルロフでもカクテルの人気度を認識、リンゴ、オレンジ、バニラなどのカクテル酒でウォッカ拡販を狙うことを表明している。
 日本酒はこれまで四〇%の伸びで今年は五〇%が予想されている。日本製「白鹿」の輸入元で、昨年の日本酒輸入の六三%に相当する七万リットルを輸入したトレードブラス社によると、このまま推移すると五年後にブラジルは日本に次ぐ消費国になるとしている。同社では「酒のジョニーウオーカーになる」と意気込んでいる。この背景には、しょう油などのトップメーカーのサクラが日本酒の生産を始めたことも消費拡大につながっている。
 従来は日系人相手だったのが最近はレストランやバールに卸すことで愛飲者が増加している。とくに女性や若者層にソフトなタッチが人気を博している。カイピリーニャのベースを酒としたサケピリーニャも浸透してきている。