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600万人がニッポンを学ぶ=日本文化教育プロジェクト「VIVA JAPAO」=州内公立校で3月から=百周年式典で発表も

2007年2月28日付け

 州から日系社会に対する最高の敬意――。今年三月から八カ月間、サンパウロ州内にある五千六百の公立小中高に通う六百万人に加え、サンパウロ州外国語教育プログラム(CEL)の生徒が〃ニッポン〃に触れる日本文化教育プロジェクト「VIVA JAPAO」の調印式が二十七日午前十時半から、サンパウロ市レプブリカ公園内のサンパウロ州教育局で行われた。このプロジェクトは、各学校が独自で選んだ日本に関するテーマをもとに授業を行い、日本に対する理解を深めることを目的にしている。〇八年にはコンクールが行われ、優秀な授業プログラムは、同年六月二十一日に開催されるブラジル日本移民百周年記念祭典でも発表される。出席した松尾治百周年執行委員長は、「州政府がこれだけ日本に対し、評価してくれるのは本当にすごいこと。誇りに感じます」と胸を張った。
 調印式にはマリア・ルイザ・ヴァスコンセーロス州教育局長、ブラジル日本移民百周年協会の上原幸啓理事長、在聖総領事館の楠彰領事、州教育関係者ら約二百人が出席、TVバンデイランテスなど八社の報道機関が取材した。
 「すでにサンパウロの日常の中には日本文化が入っており意識することはないが、移民百周年を迎えるにあたり、このような機会で生徒たちに学んでほしい」
 ヴァスコンセーロス教育局長はそう話し、「クラスの中に日本人がいたが、いつも一番の成績だった」と賞賛の言葉を送った。
 このプロジェクトは、一年生から四年生(七歳~十歳)、五年生から八年生(十一歳~十四歳)、高校生(十五歳~十八歳)、CELの各部門に分かれて行われる。
 日本の昔話、アニメ、食、言語などに加え、全ての部門で日本人移民をテーマに挙げることを勧めている。各学校が選んだ独自のテーマをもとに授業を実施、教育局は資料提供などに関する協力も行う。
 「移住地でいい先生に出会い、学問の道に入った」という上原理事長は、感激した面持ちで目頭を押さえ、「人を作るという意味で百周年にとって、とても意義がある」と同プロジェクを称えた。
 楠領事は、「このような文化交流を通し、外交の世界にも興味を持ってもらえれば素晴らしい。こういう例は他で聞いたことがない。移民国家であるブラジルならではでしょう」と話した。
 サンパウロ市東地区の学校で教鞭を取るマリリア・サントス・カルヴァーリョさんは、「今では普通となった日本文化がどのようにブラジル社会に適応していったのかを学ぶいい機会。州を挙げて取り組むに足るテーマだと思います」と意欲を見せていた。