2007年3月1日付け
ブラジル鹿児島県人会は定期総会を二十五日午後、同会館で開催し、新会長に園田昭憲氏の就任を賛成多数で決めた。総会には会員、約四十人が参加した。
園田会長は鹿児島県鹿屋市の出身。ダイドー・エンタープライズ商事のオーナーとして、鹿児島県国際交流課と県人会の協力で、〇四年から実施している語学・農業研修制度の資金援助をおこなっている。
同会長は県人会の運営にこれまで参与として関わってきた。しかし昨年末、前理事会から県人会の運営改善をおもな目的に、会長職の打診を受け承諾した。
園田会長は就任のあいさつで、「来年は県人会の創立九十五周年と移民百周年が重なり会の運営も難しくなるが、それも覚悟で引き受けた。会員みなさまの協力を得ながら、自助努力でバランスの取れた会の経営を目指していきたい」と抱負を述べた。
役員改選に先立ち報告された〇七年度の予算は、九万七千四百十一レアル。園田会長が指摘する通り同県人会は現在、二万三千二百七十一レアルの負債を抱える赤字運営となっている。
そんな現状に対し会員からは「現役の企業経営者としてのノウハウを活かして県人会運営の再建を」との声も聞かれるなど、同会長にかかる期待は大きい。
園田会長は財政改善案として、来年まで予定している母県からの研修生OBに要請して、「在鹿児島ブラジル県人会支部」の設立を企画。同研修生は来年で二十人になる予定で、それぞれから年会費を一万円として協力金を集め、それを県人会の運営費に補填していく考えだ。
また賛助会員をつくり、母県とゆかりの深いブラジルの企業に援助を打診していくほか、現役員と県費留学生のOBには年会費の二回払いを検討するなど、積極的な財政再建案を掲げる。
パカエンブー区にある県人会会館も管理・補修費がかさんでいるとして、売却案を視野に入れている。「メトロ駅近くで体力のある物件に移動することが重要」との考えだ。
人事面としては、園田会長が「行動力のある若い人を選びました」と語るように、新役員十四人のうち十人が二、三世。五人が女性だ。
同会史上、はじめて女性副会長に就任した有村マリエさん(三世)は青年部、「鹿児島若人交流会」の代表を務める。有村さんは「青年部のみんなはやる気バリバリ。会のために頑張りたい」と意欲をのぞかせる。
企画部長は日本で研修・留学をした若者で組織する団体、アセベックスの現職会長、内村明美さんが担当することになった。
広報活動としては、母県からの研修生が昨年作成した県人会のホームページを更新していく。また日ポ語で四から八ページほどの会報を復活させ、「二千部」を目標に定期的に情報を発信していく計画だ。
総会に先立ち行われた臨時総会では、理事数を二十一人から十四人に減らすことが承認された。また役員の解任は臨時総会を通さないことが決まった。
▼会長=園田昭憲。第一副会長=山下ジョウジ、第二同=楮畑孝男、第三同=有村マリエ。参与=井料堅治。第一会計=野口マルシオ、第二同=谷口雅治。総務部長=上和田繁。企画部長=内村明美。渉外部長=下窪俊夫。文化部長=西田幸子。園芸部長=西村光秀。社会部長=福島レナッタ。福祉部長=川上リカ。体育部長=籠原パウロ。監査=吉利フリッツ、古川ネルソン、安楽良雄。