2007年3月2日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙一日】ブラジル人のやせ薬使用率が世界で最も高いことが、国連麻薬犯罪対策局の管轄組織の調査で明らかとなった。
ブラジル人は昨年、住民一〇〇〇人当たり一日一二・五錠のやせ薬を使用し、使用率は世界でトップ。これは米国(四・八錠)の二・六倍に上る。二位はアルゼンチン(一一・八錠)、三位は韓国(九・八錠)だった。
昨年に実施された別の調査によると、美容院やスポーツジムで販売される植物成分を元にしたという売り込みのやせ薬にも、化学薬品の成分が含まれているという。
やせ薬の乱用について他の研究者からも警告を受けてきた保健省は二十八日、医師や患者にやせ薬のリスクを周知するための方策の検討を数週間以内に始めると発表した。やせ薬はアンフェタミンの派生品で、乱用すると依存症、精神疾患、心臓病などを引き起こす恐れがあり、死亡するケースもあるという。
衛生監督庁(Anvisa)もやせ薬の処方に対する新たな規制案を二週間以内に発表する見通し。
保健省精神保健局のデウガード局長は、ブラジルはやせ薬の製造量が多い国の一つで、そのほとんどが医師の処方せんに基づき使用されている点を強調した。逆に闇市場で取引されていないため、使用の制限などの対策は打ちやすいとしている。