2007年3月2日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二月二十四日】乗用車および多目的スポーツカーの販売が先々月、先月ともに史上最高となり活況を見せているが、二月に入っても需要が旺盛で、業界は嬉しい悲鳴をあげている。例年二月は夏枯れの時期と云われるが、今年は過去二カ月を上回る様相を呈している。この原因としてメーカー自体がファイナンス付販売を始めたことが挙げられるが、いっぽうでガソリンとアルコールの燃料共用車の人気が高まってきたのも要因となっている。販売代理店ではこの時期の平均在庫期間が二十五日だが、今年は十日間に満たない状態で、〃品切れ〃をおこしているところもあり、異変が生じている。
二月前半十五日間の新車販売台数は車検登録ベースで八万七四五八台、昨年同時期の二八・九%増、前月比二七・五%増となり、過去最高のハイペースを記録した。乗用車は七万四五二八台で、先々月の五万七九九七台、先月の五万七七一三台を大きく上回った。スポーツカーは一万二九三〇台で、先々月の九八一五台、先月の一万八三六台を追い越した。
自動車販売代理店協会では、このまま推移すると今月の新車販売は一三万九〇〇〇台に達し、月間新記録を更新すると予測している。このため例年のこの時期の平均在庫は二十五日間なのに対し、今年は十日間の品簿状態になっている。なかには在庫ゼロの店もある。
同協会筋では特別セールも実施しておらず、異変が生じているとみている。在庫が薄いのは年末休暇やカーニバル休業によるものだが、メーカーでは注文に応じるためフル生産をしている。フィアットでは二月始めから三交代制を採用してフル稼働体制を敷いている。
販売が好調に推移していることについて業界アナリストらは、メーカー自身が消費者向けに長期月賦支払いのクレジットを設定したのが大きな原因だと指摘している。これまでは販売代理店がクレジットを設定した。これにより基本金利の連続的引き下げで、月々の支払いが割安となり、かつ代金が固定されたことで購入が容易になったとしている。
いっぽうで、燃料共用のフレックス車の人気が高まったことも新車販売の増加の要因となっている。二月の十五日間での燃料共用車の販売は全体の八三・五一%を占め、〇六年十二月同時期の八二・〇九%、一月のそれの八一・二二%を上回って人気のほどを示した。
このため一年間使用済のいわゆるセミ新車の価格が八・五%低下するという反動効果がでている。ほとんどが燃料共用車に買い換えるために使用済みの車を頭金として代理店に持ち込むためで、市場にダブつく結果となった。これまでの評価額は年率六・五%の下落が標準だった。