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青少年の犯罪が少ない町=キーワードは「教育活動」

2007年3月6日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】青少年による凶悪犯罪の増加が社会問題となる中、大げさな対策が取られていないのに、犯罪発生率と再犯率が低い例が二つある。
 NGOのOEI(イベロアメリカ研究)の作成した犯罪地図によると、サンタカタリーナ州は、二〇〇四年に殺人事件の発生率が一〇万人当たり一一・一人と全国で最も低かった。発生率の全国都市別ランクでは上位二六〇市に同州の都市が一つも入らず、同州二六三市のうち、九十一市(三一%)は〇二年から〇四年までの三年間に殺人事件が一件も発生していない。
 同州は人間開発指数(IDH)が全国で二番目に高く、文盲率は五%と低い。州民一人当りの国内総生産(GDP)は〇四年に一万二一五九レアルだった。州都フロリアノポリス市では、NGOや教会、地域団体と政府や警察が協力して貧困地区の青少年一八〇〇人を対象に職業訓練など教育プログラムを実施し、現在までに五〇〇人以上が大学に進学するなど、成果を挙げている。
 もう一つはサンパウロ州内陸部のサンカルロス市で、同市は六年前、未成年犯罪者に対する児童青少年憲章(ECA)の厳格な適用を目的に総合対応センター(NAI)を設立。少年院に送り込むべき少年らを受け入れ、学習、芸術、スポーツなどの教育活動を実施している。
 設立前の九八年には十五人の少年が殺人を犯したが、〇五年は一人、〇六年はゼロだった。再犯率は〇六年にサンパウロ州が二九%に達したのに対し、同市では四%だった。