2007年3月8日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】ルーラ大統領を交えた経済活性化(PAC)会議が六日に開催され、地方自治体が協力の引き換えに三〇〇億レアルの予算交付を要求したのに対し、交付は治安維持費や上下水道工事費としてわずか一三億レアルに留まったことが明らかとなった。小切手税(CPMF)の振り分けについては、税制改革により自治体への交付率を最終的に設定する予定という。PACは前途多難の船出となった。セーラサンパウロ州知事は、連邦政府が経済活性化計画への協力を要請したが内容がズサンであるとして、現実的で具体的な計画を要求した。
六日行われたPAC会議は、地方自治体が税収の分け前請求で事実上拒絶されたようなもの。しかし、政府に対し地方自治体が負う債務の決済を酌量してもらうことは叶い、窒息寸前の州財政から免れた。しかし、州は民間銀行の融資で糊口を凌ぐ状態であることに変わりはない。
PACは地方自治体の協力によるところが大きいとしながらも、政府の交付に期待するなという。ただ州への投資促進のための便宜は惜しまないとマンテガ財務相がいう。州にとってわずかな望みは、小切手税の一部が州へ交付される言質を取ったことだ。
税制改革で州が承認を支持するなら、付加価値税(IVA)も交付される。政府に対する州債務の債券化手続きも進んでいる。そのため税の徴収法を滞納分も含めて変更する。
国税庁は資金調達の方法として、税の滞納分を債券に変えて市場で競売する予定だ。企業家は、この債券を市場で流通させることができる。州はこの債券を安く買い戻し、連邦債務を決済することができる。または財政責任法の適用を受けずに、州は間接的に債務決済ができるもの。
最高裁の裁決に基づき、州の歳出を制限する法案を財務省が上程した。現在州と市の債務は、六一〇億レアルに達している。サンパウロ州だけで二三〇億レアル、内訳は州が一二二億レアルと市が一〇九億レアル。PACが始動するため、避けて通れない関門らしい。
税制改革で新たに設置されるIVAにより、自治体は対政府債務の呪縛から解放されることを期待している。商品またはサービスが販売されるとき、付加価値が増えるごとに課税される税金である。
IVAは政府の取り分がIVAF、州のがIVAE。IVAFはこれまでのCofinsとPIS、Pasep、IPI、Cideを代替する。IVAEは、ICMSを代替する。しかし、ICMSは五年間据え置きとし、その後IVAEに変わる。政府と州間の債務問題が解決し、自治体がPACに前向きに取り組むのは五年後らしい。
知事らがPACによる町おこしに乗り気であったところへ、セーラ知事が冷や水を浴びせた。総論は良いが、各論があいまいだと苦言を呈した。税制改革にせよ政府の政策にせよ、やっていることが軽率だと警告した。PAC協力への知事の要求十四項目は、州債務で妥結に至らないなら政府案は空文だと詰問した。