2007年3月8日付け
日本で研修できたらそれっきり―。各県人会が母県の助成を得て派遣する県費留学生・研修員について、県人会関係者からこんな声が聞かれる。
二つの制度は将来、母県とブラジルを結ぶ人材を育てることが目的の一つだ。しかし、留学生らの中には帰伯後、県人会と〃サヨナラ〃する人が多いのは現実だ。
彼らの多くは三、四世。祖父母の代から遡れば、ルーツを持つ県は複数ある。だから彼らに県人意識を持って会の活動に参加してほしい、と呼びかけても無理がある。
しかし、少なくとも研修で世話になった県人会の活動に協力するのは人情だ。新会館建設のために率先して千レアルを寄付した千葉県人会の研修員OBはこう言う。「感謝の気持ちです」。
研修員すべてといわなくても、彼のような気持ちを持つ若者が増えてほしい。それは関係者共通の思いのはずだ。(泰)