2007年3月9日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】上院は七日、凶悪犯罪者を対象としたセミアベルト(日帰り服役)への規制強化と、刑務所内での携帯電話使用に対する罰則強化を定めた、二件の治安関連法案を可決した。後は大統領の裁可待ちとなる。
下院も同日、収監中の被告に対しテレビ会議システムを使って尋問や公判が行える法案と、殺人事件を対象とした陪審の審理期間の短縮化を目的とした刑事訴訟法改正案を可決した。両法案は修正が加わったため上院に戻され、再び採決される。
凶悪犯罪者のセミアベルトへの規制は、適用条件となる服役期間を刑期の六分の一から五分の二(再犯者の場合は五分の三)へ引き上げるもの。この法案は一年間下院で審議がストップしていたが、先月十四日に下院で可決された。携帯電話使用に対する罰則強化も犯罪組織州都第一コマンド(PCC)の連続襲撃事件があった昨年五月以降、下院で審議が棚上げにされていた。
テレビ会議システムを利用した収監中の被告の公判への参加は、被告だけでなく、収監中の証人も適用の対象とされた。審理期間の短縮化は、証人喚問のための公判を三回から一回に減らすこと、身柄を拘束されていない被告が公判に参加しなくても判決を下せること、刑期が二十年を超える有罪判決が出た場合に被告が無条件に請求できた再審請求を廃止し、手続きを踏んだ控訴を義務付けたことなどを盛り込んでいる。現在五年から十年かかっていた審理期間がほぼ半分に短縮されることが期待されている。