2007年3月10日付け
コロニア伝統の『第五十一回パウリスタ・スポーツ賞』(ニッケイ新聞社主催)の贈呈式が八日、リベルダーデ区の文協記念大講堂で開催され、今までで最高の約四百人が祝福に駆けつけた。会場から声援と拍手が送られる中、各スポーツ界で活躍する二十代の若者から八十代の功労受賞者ら十七人は記念プレートを受け取り、思い思いに関係者への感謝の言葉をのべた。
五十一年目を向かえた今年、日本由来のスポーツのブラジル社会普及や、顕著な記録を残す活躍の目立った十七人が各スポーツ団体から推薦された。
当日はイビウナからバス一台を貸し切って同市議会議長ら一行が来場したほか、遠くはパラナ州ロンドリーナやカストロからも駆けつけ、会場は熱い熱気に包まれた。
冒頭の挨拶で、ニッケイ新聞の高木ラウル社長は、「アマチュアスポーツを続けることは大変」と受賞者とその関係者を慰労し、「我々も頑張ってこの賞を続けることで、みなさんへの支援に代えたい」との固い意志を表明した。
来賓者の祝辞で、在聖総領事館の沖田豊穂領事は、「スポーツは日系だけでなく非日系も楽しめる、国境を越えるもの。日伯の友好親善の成果が見える」と挨拶した。
上原幸啓文協会長は「スポーツは教育・友情・尊敬を学ぶ場」と述べ、スポーツ振興に大きく寄与した受賞者にも賛辞を贈った。さらに羽藤ジョージサンパウロ市議は「子供たちが団体競技に参加して身体と心を鍛錬することで、治安維持にも大きな貢献がある」と同賞の存在意義を賞賛した。
その後、各来賓から受賞者に銀の記念プレートが贈られ、一人づつ受賞した喜びを壇上で語った。
二〇〇五年度に新設されたパーク・ゴルフ部門では、平間靖旺さん(70)が選ばれ、「歴史と名誉ある賞を他の部門の方々に混じって受けることが出来ることを大変光栄に思う」と話した。
卓球部門の高橋・ホリゴメ・マサコさん(66)は、「この賞を頂いたおかげで、卓球により献身しなくてはとの気持ちが強くなりました」と心境を述べ、マレット・ゴルフ部門の内山久夫さん(77)も、「自分がマレット・ゴルフに貢献したから頂いたとは思っていません。仲間にお世話になり頂いた賞。今以上にマレットを普及してゆきたい」と語った。
当日、唯一の非日系受賞者だった古武道のウェンゼル・ダニエル・ウェンデリン・ボンさん(33)は、オーストリア生まれの準二世。リオからサンパウロに移り住み始めた十年前に古武道を始めた。「サンパウロが自分に高い日本文化を与えてくれた」と喜びを語り、来場した数十人の仲間と喜びを分かち合った。
なお今年は特別賞に「合気道」「ラジオ体操」「射撃」「ソフトボール」の四部門が選ばれた。
贈呈式の終了後、記念写真を撮影し、サロンで記念パーティーが行われた。
ウィリアム・ウー連邦下議、リベルダーデ文化福祉協会の池崎博文会長、文協、県連、援協や各スポーツ団体代表などの来賓ほか、受賞者の家族、友人、推薦団体関係者たちなど今までにない約四百人も栄誉を称えに訪れた。
【今年の受賞者】《ゲートボール》山県政秋(78)、《マレット・ゴルフ》内村久夫(77)、《柔道》北見時夫(70)、《パーク・ゴルフ》平間靖旺(70)、《卓球》高橋・ホリゴメ・マサコ(66)、《剣道》戸井田・ネルソン・クニジ(60)、《庭球》松田・ロベルト・トシオ(52)、《相撲》島崎ジョン(36)、《古武道》ウェンゼル・ダニエル・ウェンデリン・ボン(33)、《水泳》沖本ポリアナ(24)、《野球》新井・マルセーロ・カネオ(24)、《陸上》タケイシ・マリアーナ(21)
【特別賞】《合気道》小野恵全、《ラジオ体操》小野祥子、《射撃》山本・昭・ステニオ、《ソフトボール》宮本・シモネ・サユリ。(順不同、敬称略)。