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中銀総裁会議=金融市場の余震続く=楽観は許されない=伯には杞憂とメイレーレス総裁

2007年3月14日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】二週間前、中国の上海株式市場の暴落に端を発した世界的金融市場の混乱を受けて、先進国の中銀首脳は、混乱はまだ余震が続いているとして、楽観は許されないとの危機感を表明している。とくに開発途上国に押し寄せる津波(金融混乱)のインパクトは強く、警戒を呼びかけている。
 スイスのバーゼルで十二日に行われた世界各国の中銀総裁会議でこのテーマが議論されたもので、ヨーロッパ中銀総裁は、今回の金融混乱はグローバル経済に打撃を与えて成長鈍化につなげるのは時期早尚だとの見方を示しながらも、どこの市場でも起こり得る現象の一つで、予断は許さないとして、金融市場の動向の監視と警戒を怠ってはならないとの考えを強調した。そのためには各国が経済政策を確立し、ミクロ経済の成長を維持することが金融混乱という津波の防波堤を構築し、果てはグローバル成長につながるとの見方を強調した。
 その上で、アメリカがリセッションに陥るとは信じないまでも、もしそうなれば世界中のインパクトとなり、発展途上国に多大な打撃になると指摘した。
 これに対し同会議に出席したメイレーレスブラジル中銀総裁は記者団に、先進国の警報はブラジルに対しては杞憂にすぎないとし、ブラジルは外国の影響、とくに投機的な動きには左右されない体質を確立していると明言した。この背景には外資準備が史上最高となったことに加え、着実な貿易黒字の拡大、インフレ目標の達成、GDP対比での債務の減少などの要素が挙げられ、国際間の不透明要素をはねつける体質となっていると強調した。
 さらにアルゼンチン、メキシコ、チリの中銀総裁らがアメリカの景気動向を危惧していることに対し、ブラジルはアメリカ依存から脱皮し、一人歩きできるようになったとした上で、アメリカの中庭といわれる中南米諸国の中で、ブラジルは別個の立場に位置しているとの見方を示した。