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自宅勤務制度の導入急増=支店不要、生産性は4割向上

2007年3月14日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二月十五日】自宅勤務システムを導入する企業が急増している。企業は事務所家賃がない。パソコン(PC)は、購入も保全も個人負担。食費や交通費、事務用品、ビル管理費も不要だ。
 朝は定刻に社員がPCの前に座り、テレビ電話でミーティングを行う。勤務時間も定刻まで、直後は家庭団らんの時間になる。社員は自己管理ができる人間に限り、規律を乱すと理由の如何を問わず解雇になる。
 企業は各地に支店を開設する必要がなくなった。ブラジル全土に社員を配置すれば、縦横無尽に会社組織を広げることができる。顧客への応対も迅速で能率が上がる。市場への参入も早く、業績向上は顕著である。販路拡張は国内ばかりでなく、外国も可能。
 自宅勤務を実施した企業は、異口同音に生産性が四〇%向上したという。社員も交通渋滞のイライラと都心の汚染された空気から解放され、ストレス解消にもなる。自宅勤務は時代の傾向だけでなく、経費の節約と業務の質の向上につながる。
 最近販売されているマンションは、自宅勤務用に設計され、配線設備も整っている。マンションの建設会社は、自宅勤務社員の方が高額収入を得ているという。従来の通勤サラリーマンは薄給のうえ、時代の波に乗り損ねた負け組で、将来性も見込めないとみられている。
 自宅勤務の四八%は経営者か共営者である。七八%はエリート社員。企業は競って有能な自宅勤務希望者を募っている。エリート社員は、部長や課長、係長の階級制度が存在する企業に就職しない。時代に取り残された企業だから、幹部は頭が悪い。業績もたかが知れている。売り掛けは、要注意の会社といえそうだ。
 多国籍企業でははるか以前に社内の階級制度を廃止したのに、旧態依然の国内企業は多い。この煩わしさは自宅勤務にはない。時間外勤務手当は、原則としてない。しかし、労働法が許さないので、労働契約書に詳細を盛り込む必要がある。原則としてノルマを達成すれば自由である。