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サッカー選手の実姉を保護=拉致後、159日目に=手足縛られ、20キロやせる

2007年3月15日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】プロサッカーの有名選手の家族が誘拐されて身代金を奪い取られる事件が相次いでいるが、イタリアのミランでプレー中のリカルド・オリベイラ選手の実姉が監禁一五九日目で保護されるという事件が明るみとなった。
 サンパウロ州における誘拐犯罪で監禁時間はこれまで一五五日間が最高だったことから、今回の事件は最長記録となった。全国では一九九四年、リオデジャネイロ市で二〇一日ぶりの解放されたのが最長となっている。
 事件が解決したのは匿名による通報電話で、警察はサンパウロ市東部パルケ・サン・ラファエル区の市営アパートの一室を急襲し、被害者を保護した。被害者は暗がりの中で手足を縛られ、二〇キロもやせ衰え、歩行もままならない状態で病院に収容された。暴行を受けた形跡も見られた。
 被害者は昨年十月四日午前五時ごろ、カーザ・ベルデ区の自宅から連れ去られた。被害者の夫が外出しようとした所を二人組の武装した男らに脅され、屋内に侵入された。
 犯人らは夫と六人の子供を縛りあげて被害者のみを連れ出したことから、リカルド選手の姉と知っての計画的犯行とみられている。リカルド選手がイタリアに飛び立った二カ月後のことだった。
 犯人らは一カ月後に五〇〇万レアルの身代金を要求してきたが、二回目もその一カ月後で、あまりの悠長ぶりに警察は首をかしげている。被害者によると、監禁場所を三カ所も転々としたという。
 警察は監禁場所で八人の身分証明書を発見、犯人らのものとみて追及している。このうち二人の男女が誘拐の逮捕歴がある。
 リカルド選手はイタリアのテレビ局のインタビューで「ホットした。これでプレーに専念できる」と喜びを語った。同選手は二十六歳で、サンパウロ市の名門のサンパウロ・クラブからミランに移籍した。ブラジル代表としてプレーしたこともある。
 二〇〇四年以降、八人のプロサッカー選手の家族が誘拐されている。〇四年のロビーニョの母親を皮切りに、〇五年にはグラフィテ、ルイス・ファビアーノ、ロジェリオ、マリーニョのいずれも母親が被害者となった。〇六年はクルベル(サントス)の母親、ミカエル(パルメイラス)の姉が誘拐された。すべて身代金を払い解放された。