2007年3月16日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】テメル・ブラジル民主運動党(PMDB)党首は十四日、ルーラ大統領の腹案三省を上回る五省で組閣に参加を決め、連立政権は安泰であると満足の意を表明した。PMDB所属の上議が通信相と鉱動相に。同じくジェデウ・V・リーマ下議が国家統合相、オジリオ・バウビノッチ下議が農務相、ジョゼ・G・テンポロン医師の保健相で十六日に就任式を行う。これで組閣は事実上、終了と思われる。PMDBと労働者党(PT)連立政権の初仕事は、懸案中の航空管制CPI(議会調査委員会)設置を廃案に追い込むことだという。
ルーラ大統領とテメル下議の会合は五十分にわたり、水揚げは上々で期待以上の成果であったとPMDB党首は満面に笑みを浮かべた。交渉の根回し役に指名されたのは、アウヴェス下議。カリェイロス上院議長やサルネイ上議を抑えこみ、テメル下議の党首再選に尽力したことで男を上げた下議である。
次は次官級人事だ。PMDBが五省のトップを占めたことで、次官も同様扱いを求めないと同党首はいう。ルーラ第二次政権は、PMDBの協力で過半数を確保する強力政権になった。しかし、PMDB党大会で見たように、内紛の火種は残っている。
PMDBは、上院と下院から同数入閣を要求した。下議の入閣が上院より少ないなら、下院は連立政権から降りると揺さぶった。さらに上院では連立先導役のカリェイロス・サルネイ派が、アウヴェス下議にとってPMDBをまとめる根回しの障害となった。
組閣後の初仕事となる航空管制CPIでは、本会議の表決に回すかを決める法務委員会(CCJ)の委員十五人のうち、十四人が連立与党のメンバーである。CPIはこれから、CCJの一存で表決の可否が決まることになりそうだ。
一方、連邦警察と全国弁護士協会(OAB)は、法相へ就任するタルソ・ジェンロ氏の任命に固唾を飲んで見守っている。同相は軍政の七〇年代、学生運動のリーダーであった。軍事法廷から逃れてウルグアイで亡命生活を送り、PTとは思想の流れも異なる。連警はこれまでの独立性が認められず、政治的に利用されることを恐れている。
留任を要請されたルイス・F・フルラン産業開発相は、民間企業の古巣へ帰ることを決意し、大統領も同相の辞表受理を発表した。経済活性化法案(PAC)の中心となる産業開発相の後任が決まるまで、同相は留任する。大統領は、ジェルダウ・グループのジェルダウ氏とEmbraerのボテーリョ社長に声をかけたが、断られた。
社会保障省は民主労働党(PDT)へ一任することを、大統領がベルゾイーニ党首を通じて通知。マルタ元サンパウロ市長は、観光相で入閣の可能性が高い。しかし、土壇場で波乱がありそうだ。ワウフリッド・ギア前観光相は憲政相へ。ソリアノPT前事務局長が農地改革相へ。閣僚は三十四人もいるので、最後は粗製乱造になりそうだ。