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交通違反罰金を「横流し」=道路整備予算などに回さず

2007年3月16日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】交通違反に対する罰金の徴収総額の九五%を渋滞緩和や交通機関の技術向上のための予算に組み入れることが法令で定められているにもかかわらず、サンパウロ市ではこれが実行されず、ズサンな管理を指摘する声が挙がっている。
 ブラジル道路交通法では罰金の九五%を交通技術公社(CET)に還元することを義務づけているが、サンパウロ市の場合、実施されていない。サンパウロ市では速度取締レーダーが導入された一九九七年から二〇〇六年までの罰金徴収額は三二億レアルに上り、法的には九五%相当の三〇億レアルがCETの予算に組み入れられるべきだった。
 しかし実情はそぐわず、関係者によると、CETにこれが還元されていたら、今日のような渋滞はなくイライラ運転は解消されていたと指摘している。
 昨年の徴収額は三億九一〇〇万レアルで、その九五%の三億七一〇〇万レアルがCETに回らなければならないのが、今年度のCET予算は三億三二〇〇万レアルで、差額の三九〇〇万レアルは他の支出に当てられている。
 最も顕著だったのは〇二年の徴収三億一七一〇万レアルに対し、〇三年の予算が一億八〇〇〇万レアルで、わずか五六%だった。しかし〇五年/〇六年のように徴収三億五〇五〇万レアルに対し、四億レアルと予算が上回った年もあり、一貫性のない管理に批判が集中している。