2007年3月16日付け
コロニアに「祭り」が増えた。「祭り」の文字の前に、果物や花、食べものの名を冠したのが多い。果物なら、その土地の特産であることを宣伝しようとしているし、食べものなら、日本食です、と特殊性を込めている▼今、こうした「祭り」を企画する人たちのなかから、単に「見てもらう」「食べてもらう」「購入してもらう」では、ジリ貧になってしまうという反省の言葉がきかれる。宣伝し、収益を上げることのみに腐心していたら、長続きしないというのだ▼考え出されたのが、入場者参加型の祭り。例えば、イタペチの柿と花の祭りでは親子で楽しめるさまざまな教室が設けられる。凧の名人を招き製作を学ぶ、折り紙は紙飛行機を主体に教えてもらう、土こね(セラミカ)などを直接体験、という具合だ。廃品を利用した独楽(こま)づくりもある▼宮城県人会の青葉祭りも、毎回趣向をこらす。今回は祭り企画の有力メンバーである農協婦人部連合会が、主婦層をねらった焼きまんじゅうづくりの講習会を併設する。連合会には、商店市販のまんじゅうより美味しいのをつくる名手がいる。折り紙も教える。つくるのはお雛様、というふうに季節を考慮した。さらに子供たちが垂涎のアニメテッカ開設▼すべてが、うけるとは限らないが、さまざま考えた。漫然と祭りを続けるのではなく、あるいは、おカネがいくら落ちるか、というほかに、いかに長期的に愛されるかを追求している。他の祭りのアイデアも見たい。(神)