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人権無視の行為が横行=出生の時点から始まる=児童虐待、殺人、奴隷労働

2007年3月17日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】ブラジルでは好むと好まざるにかかわらず、人権を無視した行為が横行し、年代にこだわらず侵害の犠牲になっているー。サンパウロ総合大学(USP)の研究グループが十五日に発表した第三回目となるブラジル人権報告書によるもので、二〇〇二年から〇五年までのデータを基にした。
 前回の一九九九年から〇二年までのデータと比し収集機器などの改良でより詳しいデータが得られてこともあるが、総体的に九〇年代よりも人権侵害が進行したと結論づけている。九〇年代は人権擁護運動が活発だったが、ここ十年来は下火になっているという。
 調査によると、人権無視は出生の時点で始まっている。アマゾナス州では最近生まれた赤児の四人に一人は出生届が出されていない。全国平均では一六%で、これらの出生児は国民として認められず、後になって様々な問題を抱えることになる。
 また児童就労は二〇〇四年で十歳から十四歳の一〇・一%が従事し、学業から離れている。九五年は一八・七%の高率だったが、二〇〇〇年には六・六%に下がったものの、また元のもくあみに戻った。北東部と南部がそれぞれ一五・二%、一二・五%と高率となっている。
 さらに児童の性的虐待や売春が〇三年から〇六年の間に一万三七六三件告発された。〇四年に設置された通報電話による告発で、実数はさらに増えるとみられている。
 若年層の殺人も最も多く、十八歳から二十四歳の〇四年での犠牲者は一万八五九九人で全体の三八・四%を占めた。女性の犠牲も増え、十万人当たり八人となった。
 州別ランキングではエスピリト・サント州がトップで、マット・グロッソ州とペルナンブッコ州が続いた。殺人は年齢、性別に分け隔てなく急増している。さらに警官の横暴も増え、〇五年までの過去三年間で六九七九人の市民が犠牲となり、市民の人権が踏みにじられる結果となった。
 いっぽう、前世紀で消滅したかに思われていた奴隷労働従事者が根強く残っていたことが関係者にショックを与えた。〇三年には最多の八〇〇〇人が報告され、〇二年には五五五〇人に減少していたものの、〇五年は七七〇七人となった。しかし、十四州で実態報告がないことから、実数は増加するとみられている。マラニョン州とバイア州が奴隷労働のトップとなっている。