2007年3月20日付け
ブラジル岐阜県人会(山田彦次会長)は、沖真一ブラジル東京農大会副会長を招き、「森作り、あれこれ」と題した第一回講演会を、十六日、同会館で開催した。沖さんは、最近の植樹事例を紹介したのちに、「森」とは何か、桜の植樹のポイント、森作りへのアドバイスを語り、十数人の参加者らの中には、熱心にメモをとる姿が見られた。
沖さんは、六五年に来伯。花作りに従事してきたが、現在は、農薬の販売などを手がけて、パラグアイのイグアスー移住地で行われている植林事業に、専門家として携わっている。
「『多様性』が実現されてこそ、森といえる」と沖さん。大小多種の樹木があり、水源がポイントとなる。小さな森をたくさん作り、点と線をつないで広げていくことが理想だと説明。
森作りにお勧めの樹木は、フトモモ科(和名、またはミルタッシア科)と、クワ科で、フトモモ科にはゴヤバやユーカリが、クワ科にはイチジクやゴムの木などが属する。様々な動物、昆虫が実から種を散らすことで、人間が手を加えなくても、自然と森を育ててくれるそうだ。
桜の植樹をするにあたっては、苗木は一年を少しすぎたものがよい。背が高すぎると倒れてしまうので、注意。また、桜の二、三メートル隣には、常緑の松などを植える、とアドバイスを送った。
山田会長は「講演会の効果がすぐに出るとは思ってない」と毎月一回講演会を続けていく考えを示し、今後、百周年など様々なテーマを取り上げていく中で、「ぜひ県人会員に聞いてもらいたい。県人会の方向性、日系社会のことなど、何かを考えられる場を提供していきたい」と話した。