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マルタ元サンパウロ市長、観光相に=残るは4大臣のみ=異例の遅れとなった組閣

2007年3月21日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】第二次ルーラ政権の組閣人事で、マルタ・スプリシ―元サンパウロ市長が観光相として入閣することが決定した。
 十九日にブラジリアで行われた両者会談でルーラ大統領が正式に就任を要請し、マルタ元市長が承諾して決定の運びとなった。マルタ元市長の入閣は、先の選挙の敗北以来、約束されていたようなもので、労働者党(PT)は自治相あるいは教育相のポストを要求していたが、結局大統領の裁断で観光相に落ち着いた。
 これによりマーレス・ギア前観光相が憲政相に横すりで就任、新設ポストの港湾相にナシメント氏の就任が決定、二十三日に三新大臣の就任式が行われる。
 連立政権の政党の強い突き上げと与党第一党PTの発言力の低下にルーラ大統領の優柔不断が加わり、組閣人事が異例のもたつきを見せている中で、新閣僚の任命は余すところ、産業開発、農務、農地改革、社会保障の四省となった。中でも農務相は連立第一党のブラジル民主運動党(PMDB)が手中に収め、バウビノッチ下議で落ち着いたものの、スキャンダルが発覚して取り消しとなり、振出しに戻るという不手際ぶりを披露した。
 マルタ新観光相はルーラ大統領との会談を終えての記者会見で、常日頃の毒舌を控えて、新ポストでの知識を深めて職務を全うするのみと答えた。
 ルーラ大統領が閣僚に対して二〇〇八年の地方選挙への出馬を禁止したことで、PTが画策していると伝えられているサンパウロ市長選の立候補が事実上不可能になったことも意に介していない模様だった。また〇一〇年の大統領選の野望についても「視野にない」とコメントするに至った。
 さらに十九日にブラジリアに向う際、サンパウロ市コンゴーニャス空港で飛行便の遅れで二時間以上待ったことに関し、航空管制問題は管轄外だとして批判を避けた。しかし、ブラジルの観光振興の障害になると苦言を呈した。
 ジルセウ前官房長官、パロッシ前財務相の失脚で、いわゆるサンパウロ州出身の大物大臣が姿を消したことで、関係者の間ではマルタ新大臣の発言力に期待する向きが多い。