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サトウキビ畑は地獄?=劣悪な環境で収穫作業=サンパウロ州

2007年3月22日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十一日】石油に代わるエネルギー資源としてブラジルのエタノールが脚光を浴びる中、労働検察庁は二十日、サンパウロ州イビラレマ市の農場内のサトウキビ畑で、少なくとも作業員九十人が劣悪な環境の下で働かされていることを確認した。
 同庁の監督官らは、サトウキビ畑の責任者である精製工場を十三件の労働法違反で摘発。作業員らはトイレや飲み水、救急用具も用意されず、安全対策も全く取られていない環境で、サトウキビの収穫に従事していた。
 作業員の多くは三月から十一月までの収穫期に北東部地方から出稼ぎに来た人たちで、食事場もなく、昼食は炎天下の下でとり、作業に必要で本来雇用者が支給すべき長靴やなたなどの購入も強いられていた。誤ってなたで手をけがしたのに、ガソリン代がもったいないと病院に運んでもらえなかった作業員もいた。
 同庁の検察官によると、こうした劣悪な環境はサンパウロ州内陸部では一般的だという。サンパウロ州では二〇〇四年に十七人の作業員が過労で死亡したとみられている。同庁は今後も収穫現場の監督を強化していく方針を示した。
 一方、ルーラ大統領は同日、ゴイアス州ミネイロス市で「半年前まではサトウキビ生産業者は農業マフィアとみなされていたが、今はエタノールのおかげでブラジル、いや世界の英雄となった」と発言し、同業界を持ち上げた。