2007年3月22日付け
日本で働きませんか?――。サンパウロ市リベルダーデ駅前の広場を通ると、赤い半被を着たブラジル人女性によくこう声を掛けられる。彼女たちは派遣会社からデカセギ斡旋会社に雇われた勧誘員だ。
最近は人数が減ったが、今年一月ごろは二十人近い勧誘員が熱心に〃日系顔〃を探していた。
彼女たちは最低給料で働いている。ただ一番の魅力は成功報酬だ。デカセギ候補者を見つけて名簿登録させるか、実際に勧誘した人が日本にいけば、手当てが出る仕組みで、勧誘にも熱が入る。
斡旋会社が勧誘員に支払う人件費は、一月最低七千レアルほど。結構な支出に思えるが、関係者によれば、二、三人デカセギに出せれば、チャラになる金額だそうだ。
「昔に比べて不景気だよ」。個人でデカセギ斡旋をする関係者はこう洩らす。ただ、毎月の収入が一万レ以上と聞けば、好景気に違いない。(泰)