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伊政府、身柄引渡し要求=リオで極左テロリスト逮捕

2007年3月23日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日、二十日、一部既報】十八日に潜伏中のリオデジャネイロ市コパカバーナ海岸で逮捕されたイタリア人の極左テロリストのバティスチ容疑者に対し、イタリア政府は十九日、正式に身柄引渡しを要求してきた。
 同容疑者は身柄をブラジリアの連警本部に移されて取り調べを受けているが、連警はこの件に関して一切コメントを避けている。関係筋によると、引渡しは早くても六カ月を要するという。
 同容疑者はとり合えず連警の告発でブラジル国内で裁判を受けた後に有罪と見なされたら引き渡される。そのためには犯罪を実証する種々の資料が必要で、テロの裁判の前例がないだけに、かなりの時間がかかるとみられている。また弁護団がブラジルへの亡命を申請する可能性もあり、その審査が終わるまで裁判は中断となる。
 同容疑者は七〇年代にイタリアで四人の政治家を殺害した罪で無期懲役の判決を受けて指名手配されていた。そのためフランスに逃れ、同国内でもテロ活動をしていた。今回の逮捕はフランス警察の追及によるもので連警が合同捜査で協力した。
 両警察は昨年十月から同容疑者がコパカバーナ海岸のアパートに住んでいることを突き止めた。フランス当局はテロの一味が十八日、同容疑者に資金を渡すために来伯する情報を入手リオ国際空港に降り立つのを待ち構えていた。
 使者のフランス人女性がホテルで同容疑者に資金を渡すのを確認して二人を逮捕した。バティスチ容疑者は罪を認めたという。フランス人女性は法に触れないことから無罪釈放となった。
 逮捕劇にイタリア政府は最大の讃辞で連警の労をねぎらった。フランスのル・フィガロ紙とル・モンド紙およびイタリアのコレイラ・デラ・セラとレ・レプブリカ紙はいずれもトップ記事で一面をさいて報道した。

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