2007年3月23日付け
カタカナ表記はできるだけしたくない、と普段から思っているのだが、次の言葉はアメリカでよく使われているというので…▼それは「サクセスフル・エイジング」。「成功した幸運な老い」、あるいは進行形で「自身が成功していると自覚し幸せに老いる」とでもなろうか。実は、この言葉、日本語に置き換えられない、といわれる。アメリカでは、老いてもなお自立していて、社会のために役立つよう生きることを言っているようだ▼息子、娘を育てあげ、それらこどもたちから、一緒に住もうと誘われても、こどもたちにはこどもたちの生活があろうから、と同居をしない。生活費を援助しようといわれても、年金で十分暮らしていける、と断る。体力が許せば、ボランティア活動を行う。これがアメリカ流▼わがコロニアでこの言葉にふさわしい生き方は、といえば、子や孫に囲まれ、「おじいちゃん」「おばあちゃん」と大切にされながら趣味に生き、老衰で人生を閉じる、であろうか▼思えば、移民一世がアメリカ流をやろうとすれば、子育て期や壮年期から計画的に生活してこなければならなかった。いま急に、は成らない。計画的にやろうにもできなかったという人が大半であろう。ある程度産をなした人も、老後は子の世話になろう、と考えてきた。子をしっかり育てさえしたら、それが世間的に美風であるともいえた▼「サクセスフル・エイジング」に定義はないと考えたい。今後は自分流のそれを見出していこう。(神)