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議員お手盛り案復活=下院財政委が承認=26・49%調整に活動費増額=懸念される全体への波及

2007年3月24日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】下院財政委員会は二十二日、上下両院議員と正副大統領、全閣僚の給与の二六・四九%の調整を認め、本会議で表決することを決定した。上下両院本会議で給与調整が承認されると、下議の給与は現行の一万二八四七レアルから一万六二五〇レアルへ引き上げられる。さらに議員は内容証明不要の政治活動費、二四一六レアルを五四一六レアルに増額され、ブラジリアでの住居費手当てもある。議員は他に、地元の経費として一万五〇〇〇レアルの割当枠を有している。
 多くの批判を浴びてくすぶっていた議員お手盛り案が、また息を吹き返した。下院財政委員会が給与調整案を認め、第一歩を踏み出した。調整は議員だけでなく、正副大統領と閣僚にも広げるというもの。第二歩は、政治活動費を自由に使えるものという。
 二六・四九%の調整とは、二〇〇三年二月から〇七年二月までのインフレ率の累計だとしている。議員は、年十五カ月分の給与を受け取る。これで平均給与を割り出すと、国家公務員の給与上限二万四五〇〇レアルを超過することになる。
 財政委員会の承認によれば、ルーラ大統領の給与は現行の八八八五レアルから一万一二三九レアルになる。副大統領と閣僚は、八三六二レアルから一万〇五七八レアルへ。大統領は十六日、閣僚が英雄であると誉めた。民間企業より安い給与に甘んじ、国家運営に献身していると述べた。大統領職は、待遇のよい旋盤工だと揶揄した。
 議員給与お手盛り案の上程者で下院財政委員長のギマランエス下議(労働者党=PT)は、審議保留中の暫定令より先に同案をスピード表決するようキナリア議長へ要請した。
 下院議長は、ギマランエス財政委員長の独走に狼狽。財政委員会で何もかも決め、下院がそれに合わせろといわんばかりのマイペースだ。議長選でキナリア議長のエサは、議員お手盛り案であった。給与調整はやぶさかでないが、本末転倒は迷惑である。
 最高裁のメンデス臨時長官は、行政府の経費増大宣言に続き、立法府も経費獲得に動き出したことを憂慮すると、ベルナルド予算管理相へ伝えた。予算管理省は二十日、司法府への予算一二億四六〇〇万レアルの交付差し止めを発表した矢先である。
 議員お手盛り案が下院で承認されるなら、政府機関全体で給与引き上げ攻勢を起こす懸念がある。議員給与の調整八四〇〇万レアルが、行政府高官だけで七億六五〇〇万レアル調整の呼び水になる。地方自治体の州議や市議にも及ぶ。
 全伯司教会議(CNBB)のマジェラ大司教は、下院の給与調整を無知で無神経の至りと憤りをあらわにした。昨年の度がはずれた給与倍増案よりは少ないが、国会議員の給与は最低賃金の調整率に基づき査定すべきだと主張した。
 CNBBの司教らは、連名で声明を発表した。閣僚が英雄だというが、本当の英雄は最低賃金で生活する世帯であるという。国民の疲弊を忘れて勝手に自分の給与を引き上げるのは、倫理不在の政治だと糾弾した。