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申告漏れ放置者110万人=総額約32億レアル=資産差し押さえの対象にも=脱税防止ソフトで摘発厳格

2007年3月27日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】国税庁は二十五日、二〇〇四年から〇六年までに所得税の申告洩れが指摘されても放置している申告者が一一〇万人いると発表した。〇四年で一七万三四〇〇人、〇五年で三九万六一〇〇人、〇六年は五二万六二三〇人。過去五年間では九八二〇万人が所得税申告を行い、内七〇八万人が申告漏れを指摘された。国税庁が試算したところ、総額で三一億八〇〇〇万レアルを滞納しているという。ブラジルの税法によれば、五年を超過すると資産差し押さえの対象になる。
 個人の所得税申告期限は、余すところ一カ月となった。国税庁は二〇〇六年度から〇二年度までに遡り、監査の網にかかった申告書の資産状態を追及した。国税庁は初めて、過去五年間に申告漏れを指摘された人の所得申告番号を公表することにした。
 税法の規定によれば、国税庁は申告漏れの訂正または滞納税の支払に五年の猶予を与える。五年以内に訂正または事実証明が行われない場合、申告者の責任として資産差し押さえなどの強制執行に踏み切る。資産を差し押さえられると、差し押さえの解除は、支払と受け取りの確認をとるので時間がかかる。
 差し押さえ解除や源泉控除の償還額は、基本金利率に応じて修正される。しかし、国税庁の償還は時間がかかると苦情が多い。資産の差し押さえには、国税庁が関連企業の確認をとるので長期間差し止められる。脱税防止ソフトの使用以来、所得申告の正確さが厳しく求められるようになった。
 個人の経営する企業が毎月、小刻み赤字または閉業に至っても国税庁は追跡している。零細企業は赤字経営でも、国税庁は利益があるから企業が存在すると解釈する。経費即利益と見る。零細企業のやりくり算段や借金経営は、税務署に通用しない。
 零細企業は所得税申告者が経営者の場合、企業会計と個人の申告書の帳尻が合わねばならない。多くの場合小さな記帳ミスや写し違いなどで、国税庁の網にかかっている。わずかな滞納税や罰金でも、放置すると雪だるま式にふくれ上がるから要注意だ。
 コンピュータが導入されて間もないころ、五年ごとにシステムを切り替え、古いしがらみはご破算になった。いまはソフトの完成により、五年後は強制執行で追跡される。最近は所得税申告書の解読もコンピュータが行う。脱税防止ソフトで申告漏れも、即時に発見される。
 しかし、申告書が正しくても支払企業の方に落ち度があれば、解決されるまで同申告は保留となる。申告者に落ち度がなくても、支払企業は国税庁の要求に応えて会計監査を受け、国税庁の認証を得なければならない。その作業は申告者の手が届かないところ。
 国税庁の監査は、到着順でもひいき順でもない。国税庁のブラックリストに名を連ねる不正申告者や大規模な脱税容疑者が先になる。申告書の六〇%は、受け取った収入額と企業の支払額が合致しない。次に多いのが、資産の増加ほど収入がないこと。申告する収入額と支払い額の合致は、常識として頭に納めておく。